Journal of Veterinary Medical Science
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肥育牛にみられた肝性脳症の一例
渡辺 大作渡辺 一博酒井 淳一小林 正人種市 淳大島 寛一
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1991 年 53 巻 3 号 p. 499-501

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抄録

食欲廃絶, 下痢および視力障害を示した12ヶ月齢のホルスタイン種肥育雌牛が, 血液検査でBUN, GOT, γ-GTP, 総ビリルビンおよび胆汁酸の増加を示した. 剖検では肝臓の萎縮, 胆嚢の腫大, 第四胃および小腸壁の水腫性肥厚がみられた. 組織学的には再生像を示す肝硬変と大脳灰白質深部から白質にかけて, また小脳髄質および延髄全域において海綿状変性がみられた. 以上の所見から, 本例は肝硬変に起因した肝性脳症と診断された.

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