1991 年 53 巻 4 号 p. 671-676
鶏胚初代培養細胞に弱毒ILTウイルスCE株を接種して得られた感染細胞をワクチンとし(C-Aワクチン), 鶏での安全性と有効性について調べた. このC-Aワクチンは鶏の頚部皮下又は下腿部筋肉内に接種することにより鶏に免疫を与え, 103.0TCID50以上のウイルス量のワクチンを接種された鶏はその70%以上が強毒株による攻撃に対して耐過した. また, このワクチンを接種された1日齢鶏では接種後4ないし6日目の早期に免疫を獲得し始め, 60%以上の防御率は10週間持続した. またワクチンの効果は鶏の接種時日齢にかかわらず認められ, ND-IB混合生ワクチンによる干渉も認められなかった. それに加え, このC-Aワクチンは高用量を接種しても鶏に対して安全であることがわかった. また, 以上の安全性, 有効性はブロイラーの1日齢鶏を用いた野外試験においても確認された. これらの結果から, このC-Aワクチンは従来のワクチンにかわる新しいワクチンとして有望であることが示された.