Journal of Veterinary Medical Science
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高齢犬の脳血管アミロイド症, 老人斑および胎外組織のアミロイド沈着に関する病理学的検索
内田 和幸中山 裕之後藤 直彰
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1991 年 53 巻 6 号 p. 1037-1042

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抄録
様々な年齢層のイヌ剖検例90例のアミロイド沈着について検索した. 脳では28例(平均年齢13.7歳)の髄膜や大脳皮質の中小動脈および毛細血管にアミロイドの沈着が認められ, 脳血管アミロイド症に関連していると思われる脳出血も高齢犬(平均年齢12.1歳)で高頻度に認められた. 老人斑は12例(平均年齢13.2歳)の大脳皮質に観察され, diffuse plaqueが, primitive, およびclassical plaqueに比べ多かった. 脳血管アミロイド症の見られた個体の脳以外では消化管粘膜下織の血管周囲にアミロイド沈着が高率に見られ, その他心, 肺, 肝, 甲状腺の血管壁および心弁膜にもアミロイド沈着が認められた. 今回の検索で見られたアミロイドは全て過マンガン酸処理に抵抗性を示した.
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© 社団法人 日本獣医学会
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