抗鶏貧血因子(CAA)鶏抗体を用いた免疫電顕法によりCAA感染MDCC-MSB1細胞培養上清中のCAA粒子の検出を試みた. CAA感染細胞由来の濃縮精製培養上清を抗CAA免疫グロブリン(Ig) G抗体と反応させて観察したところ, ウイルス様粒子の凝集塊が認められた. 凝集塊中の粒子の直径は平均21nm (19-25nm)であった. これに反して, 同じ精製材料をSPF鶏由来のIg Gと反応させた場合には単一の粒子は観察されたが, 凝集塊は見られなかった. 単一粒子の直径は凝集塊中の粒子とほぼ同じであった. 一方, 非感染細胞由来の濃縮精製培養上清中には, 抗CAA Ig抗体を反応させても凝集塊及び単一粒子は見られなかった. 次に, 今回の試験において行われた免疫電顕法の特異性を検討した. ビオチン化抗CAA Ig G抗体により凝集した粒子にストレプトアビジンー金コロイドコンジュゲイトを反応させたところ, 金コロイド粒子の特異的な結合が認められた.