抄録
6カ月齢から巣状糸球体硬化症を発症することが知られているAPAハムスターの4, 8および12週齢時の腎臓を病理学的に検索した. 基底膜様物質の増加とメサンギウム細胞の増数によるメサンギウム領域の巣状かつ軽度の拡張および上皮細胞の2次足突起の融合が4週齢で観察された. このような変化は週齢とともに進展し, 12週齢では電子密度の増加を伴う基底膜の結節状肥厚を伴っていた. 4週齢から2/3例に認められた蛋白尿は12週齢になると全例で観察された. 一方, 組織学的コントロールとして使用したStd:ゴールデンハムスターの腎臓には病理学的変化は認められなかった.