Journal of Veterinary Medical Science
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インターロイキン-2依存性牛T細胞の作出とその細胞を用いた白血病発症牛血清中のリンパ球活性化抑制作用の検索
泉対 博佐藤 国雄畠山 英夫
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1992 年 54 巻 2 号 p. 293-296

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抄録
マイトーゲンにより活性化した牛末梢血リンパ球から作出したIL-2依存性株化牛T細胞を使用し, 白血病発症牛の血清中に認められる免疫抑制作用機序を, リンホカインとリンパ球の相互作用を中心に検索した. 白血病発症牛の血清中には,高率にコンカナバリンAの刺激によるリンパ球活性化を, 抑制する作用があることが観察された.更に, IL-2存在下でIL-2依存性牛リンパ球の増殖が抑制されることや, 牛リンパ球からのIL-2産生が低下することが認められ, 特に後者はマイトーゲンによるリンパ球活性の変化と相関関係があることが示された. これらのことにより, 白血病発症牛血清中のリンパ球活性化抑制作用の要因として, IL-2によるリンパ球の活性化を抑制する作用および活性化したリンパ球のIL-2産生を抑制する作用がともに働いていることが示された.
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