Journal of Veterinary Medical Science
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遺伝子導入マウスの肝臓におけるアンギオテンシノーゲンmRNAの急性期反応における誘導(短報)
高橋 滋深水 昭吉杉山 文博梶原 典子八神 建一村上 和雄
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1992 年 54 巻 2 号 p. 367-369

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抄録
マウスに大腸菌のリポ多糖類(LPS)を投与し, 急性期反応を誘発した時にアンギオテンシノーゲン(AG)mRNAレベルがどのように変化するかを, ヒトAG遺伝子導入(トランスジェニック)マウスを用い, マウスとヒトAG遺伝子を特異的に検出できるDNAプローブを利用してNorthern blot法で調べた. その結果, マウスとヒトAGmRNAの発現は, LPSまたはグルココルチコイドの単独投与6時間後では誘導されなかった. 一方, マウスAGmRNAの発現は, LPSとグルココルチコイドの相乗作用によって上昇した. しかしヒトAGmRNAは, 本実験条件下では誘導されなかった. また, マウスにおける代表的な急性期タンパクであるSerum Amyloid P mRNAは, 同一のトランスジェニックマウスで急性期反応によって誘導された. 以上の結果から, トランスジェニックマウスの急性期反応時に, 内在性のAGmRNAと外来性のAGmRNAが異なる発現調節を受けていることが示唆された.
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© 社団法人 日本獣医学会
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