抄録
活性卵白粉末を子牛に経口投与し, 投与後の末梢血好中球数, 好中球機能としてNit-roblue Tetrazolium (NBT)還元能とStaphylococcus aureus(S. aureus)に対する貧食殺菌能の変動について検討した. 子牛に対して活性卵白粉末を250mg/kgと500mg/kgの1回および5日間隔での2回経口投与を行った. 1回投与では, 500mg/kg投与例の末梢血好中球のNBT還元能とS. aureusに対する貧食殺菌能が投与1日目から上昇して3日目に最高値となったが, 250mg/kg投与例では活性の上昇が見られなかった. 5日間隔での2回投与例では, 500mg/kg投与例は, 1回投与例と同様の変動を示し, さらに250mg/kg投与例においても2回目投与後に好中球機能の活性の上昇が認められた. しかし, 活性卵白粉末の1回および5日間隔での2回投与後は, 末梢血好中球数の増加が見られなかった. 以上の成績から, 活性卵白粉末の子牛に対する経口投与は, 非特異的免疫能の増強効果を有することが明らかになった.