抄録
正常な成鶏から分離した血清を出発材料にして, Ca2+依存性にフォスフォリルコリンに結合する蛋白質を分離した. 家兎抗鶏免疫グロブリン抗体を用いてCa2+依存性のフォスフォリルコリン結合抗体を除去した精製フォスフォリルコリン結合蛋白質を電気泳動(SDS-PAGE)で解析すると, 非還元および還元条件下で2本の蛋白質バンドが見られた. ゲル濾過では分子量約10万の位置に溶出された. これらの成績から, 鶏血清中のCa2+依存性フォスフォリルコリン結合蛋白質は2つのサブユニットが会合した分子量約10万の血清蛋白質であると考えられる.