Journal of Veterinary Medical Science
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四塩化炭素誘発ラット肝傷害におけるマクロファージ及び類洞周囲細胞の免疫組織化学的観察
山手 丈至辰巳 正史仲辻 俊二桑村 充小谷 猛夫佐久間 貞重
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1993 年 55 巻 6 号 p. 973-977

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抄録
四塩化炭素の2回反復投与によって誘発されたラット肝傷害におけるマクロファージ及び類洞周囲細胞(PSC)の動態を免疫組織化学的に観察した. 単回, 反復いずれの投与においても, 投与後2日に静脈周囲性の肝細胞傷害が著しく, 4及び6日では線維化がみられた. 傷害された静脈周囲野では単球・在住マクロファージに特異的なED-1陽性細胞数はいずれの投与においても2及び4日後に有意に増加し, 投与後2日にピークを示し, その数は第1回投与後よりも第2回投与後で2倍多かった. 在住マクロファージのみに特異的なED-2陽性細胞数は第1回投与後では4日のみに有意に増加し, 第2回投与後のピークは2日で, 4及び6日においても有意に増加していた. 筋アクチン陽性PSC数の有意な増加は第1回投与後では4日のみに, 第2回投与後では2及び4日に有意に上昇し, 4日にピークに達した. これらの成績は, ラットの四塩化炭素誘発肝傷害においてPSCの増加に先立ちマクロファージが増加すること, そしてその動態は第2回投与後により著しいことを示した.
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