Journal of Veterinary Medical Science
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五要素集中定数モデルを用いた肺血管抵抗分布の解析
近藤 元紀鷲巣 誠松倉 克仁小林 圀仁本好 茂一宮坂 勝之高田 正雄
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1994 年 56 巻 1 号 p. 71-76

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抄録

肺血管抵抗分布を求めるために, 肺血管を肺動脈領域, 中間領域, 肺静脈領域の三つの区分に分けた五要素集中定数モデルを作成した. 単離犬肺濯灌標本で肺動脈あるいは肺静脈の閉塞法を行い, このモデルの妥当性と各区分の解剖学的な対応性を評価した. 肺動脈を閉塞すると肺動脈圧は急激に下降し, その後緩徐にかつ指数関数的に減少した. 肺静脈を閉塞すると肺静脈圧は急激に上昇し, その後緩徐にかつ指数関数的に増加した. コンピュータ・シミュレーションから得られた理論的圧波形は, 実験的に得られた波形と類似した. セロトニンは肺動脈領域の圧較差(delta Pa)を増加させ, ヒスタミンは肺静脈領域の圧較差(delta Pv)を増加させた. どちらの薬剤も中間領域の圧較差(delta Pm)を変化させなかった. 以上の結果から, 五要素集中定数モデルは肺血管抵抗分布の解析に有用であり, delta Pa, delta Pm, そしてdelta Pvはそれぞれ解剖学的に肺動脈領域, 肺胞血管領域, そして肺静脈領域の血管抵抗分布に対応することが示唆された.

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© 社団法人 日本獣医学会
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