1994 年 56 巻 4 号 p. 691-695
伝染性喉頭気管炎(ILT)ウイルス弱毒株で調整した細胞随伴性(CA)ワクチンを注射された鶏はILTに対する強い免疫を獲得した. CAワクチンと無細胞(CF)ワクチンを注射した鶏との間で抗体応答を比較したところ, いずれのワクチン注射鶏においても, 血清からは中和抗体とIgG及びIgM-ELISA抗体が検出できたが, 気管洗浄液からはいずれの抗体も検出できなかった. また, CAワクチンを注射した鶏の方が抗体応答は良好であった. これらの検出された各抗体価と攻撃に対する発症防御との間には明らかな相関は認められなかった. CA及びCFワクチンを皮下注射した鶏では1日後から6~7日後まで肝臓, 脾臓, 胸腺, 肺などからワクチンウイルスが回収されたが, 分離頻度には両ワクチン間で有意差はなかった. 今回の成績からはCAワクチンが強い免疫原性を示す原因を明らかにすることはできなかった.