Journal of Veterinary Medical Science
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犬における尿中酵素の日内変動
上地 正実照井 治子中山 智宏三品 美夏若尾 義人高橋 貢
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1994 年 56 巻 5 号 p. 849-854

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抄録
臨床的に健康な雑種成犬雄11頭, 雌11頭(体重7-13kg)を用いて4時間毎に採尿採血を行い, 尿中に排泄されるN-Acetyl-β-D-glucosaminidase(NAG, EC 3. 2. 1. 30)ならびにγ-glutamyl transpeptidase (γ-GTP, EC 2. 3. 2. 2)の日内変動を検討した. 尿量は, 12-16時に有意な(P<0.05)高値を示した. クレアチニンクリアランスには変動は認められなかったが, クレアチニン排泄量は, 8-16時の間に有意に高値を示した(P<0.05). NAG, γ-GTPの活性値, 排泄量およびクレアチニンindexに特徴的な変動は認められなかった. クレアチニン排泄量とクレアチニンクリアランス(r=0.693), γ-GTP排泄量とγ-GTP index(r=0.724)ならびにNAG排泄量とNAG index(r=0.878)には相関が認められた. また, 各4時間尿と24時間尿のNAGならびにγ-GTPの排泄量とそれぞれのクレアチニンindexに高い相関が認められ, 尿中酵素を尿中クレアチニンで補正することによって, 随時尿においても24時間尿の酵素活性値を推定できる可能性が示唆された.
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© 社団法人 日本獣医学会
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