抄録
22塩基のリボザイムコアの塩基配列と, 標的MHVポリメラーゼ遺伝子に相補的な243塩基(S-リボザイム)あるいは926塩基(L-リボザイム)の配列を有し, ウイルスRNAを切断する2種類のリボザイムを作製してMHV増殖抑制効果を検討した. 作製したりボザイムによる標的RNAの切断反応は, cell-free 条件下では温度, Mg2+濃度およびリボザイム:標的RNA量比に依存して進行した. ベクターpEFに組み込んで, DBT細胞に導入して得た数株のS-, L-リボザイム高発現細胞においては, ウイルス増殖が顕著に抑制された. S-リボザイムの in vitro におけるウイルスRNA切断速度は, L-リボザイムに比べて速かったが, MHVの増殖阻害効果については両者を発現している細胞間で, 有意差は認められなかった.