Journal of Veterinary Medical Science
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イヌの実験的エンドトキシンショック時の 6-keto-PGF および Thromboxane B2 に対するPAF拮抗薬(CV-3988)の効果
岡野 昇三多川 政弘浦川 紀元
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1995 年 57 巻 1 号 p. 81-85

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抄録
PAF桔抗薬であるCV-3988のエンドトキシンショックに対する治療効果について循環動態, 血中 6-keto-PGF および Thromboxane B2濃度を検討した. 供試動物は, ペントバルビタール全身麻酔下のビーグル犬10頭を治療群(n=5)および対照群(n=5)に群分けし用いた. 実験は, 両群にエンドトキシン(Lipopolysaccharide, 3mg/kg)を一回静脈内投与し, 治療群には, エンドトキシン投与終了直後にCV-3988(10mg/kg)を10分間で静脈内投与した. エンドトキシン投与により両群ともに大動脈圧, 心拍出量および尿量が低下した. 治療群においては, CV-3988投与後に大動脈圧, 心拍出量および尿量が対照群に比較して有意に高値を示した. また, 血中 6-keto-PGF および Thromboxane B2濃度の上昇が有意に低値であった. これらのことよりエンドトキシンショックに対するCV-3988投与の有用性が示唆された.
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