Journal of Veterinary Medical Science
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57 巻 , 1 号
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  • 石橋 和樹, 白川 ひとみ, 内布 幸典, 小河 孝
    1995 年 57 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1990年の福岡県におけるアイノウイルスの流行に際し, 抗体保有のコホート追跡調査を実施し, 流行を疫学的に解析した. 県内5地区128農家436頭の乳牛から, 5~7月に採血した血清での陽性率は38.3%, 農家単位で40.6%であった. 4ヵ月後の9~11月に同一個体から採血した血清での陽転率は33.3%, 農家単位で40.6%であった. 県内の5地区を比較したところ, 農家では陽性率, 乳牛では陽性率および陽転率の双方で地区間の相違が認められた. また, 農家の陽性率と陽転率には高い相関が認められた. これらのデータについて主成分分析を行ったところアイノウイルスの流行は地域により違いが認められ, 疫学的に4群に区分された.
  • M. C. TERREROS, J. C. DE LUCA, C. C. FURNUS, F. N. DULOUT
    1995 年 57 巻 1 号 p. 5-8
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Cyclophosphamide(CP)による染色体の損傷を蛋白欠乏食を投与したマウスとアルコールを飲料水中に与えたマウスで調べた. 染色体損傷はCバンドの観察から2つの動原体を持つ染色体の出現頻度により数値化した. CP処理による染色体損傷は未処理マウスより有意に高く, この値は蛋白欠乏食マウスでは更に高くなり, 相加的な効果を示した. エタノール投与群では食餌(蛋白量)に関わらず二重動原体染色体の出現頻度は最も高い値を示した.
  • 野村 紘一
    1995 年 57 巻 1 号 p. 9-16
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    雑種成犬5頭を用い, 非妊娠黄体期に左子宮内に外科縫合用絹糸を挿入して脱落膜腫を誘起したところ, 組織学的に子宮腺の増殖と拡張を伴った子宮内膜の増殖像が全例において観察された. これらの組織像は絹糸と子宮内膜の位置関係によって相違していたが, 比較的規則的な子宮腺の増殖分化像を示すものが多かった. これらの特徴は妊娠初期の胎盤形成過程の組織像に極めて類似しているところから, 絹糸が子宮内膜に与える影響は妊娠時における妊卵の作用とよく似ているものと考えられた. 絹糸挿入刺激によって作成された脱落膜腫では他の刺激源によるものと比べて, 正常脱落膜反応に極めて類似した組織像を呈するものが多いことがわかった.
  • 渡来 仁, 杉本 千尋, 尾上 貞雄, 小沼 操, 保田 立二
    1995 年 57 巻 1 号 p. 17-22
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Theileria sergenti のレセプターとして, ウシ赤血球膜ガングリオシドが機能しうるか否かを調べるために, ウシ赤血球膜由来のガングリオシドならびにウシ赤血球膜のガングリオシドと同じ糖鎖構造を持つガングリオシドをリポソームに組み込み, 原虫によるリポソーム凝集反応を行った. 原虫は, N-アセチルノイラミン酸(NeuAc)を持ったI型ガングリオシドを組み込んだリポソームを弱く, またN-グリコリルノイラミン酸(NeuGc)を持ったI型ガングリオシドを組み込んだリポソームを強く凝集したが, GM3(NeuAc), GM3(NeuGc), sialosylparagloboside(SPG) (NeuAc), SPG(NeuGc), i型ガングリオシド(NeuAc)ならびにi型ガングリオシド(NeuGc)を組み込んだリポソームは凝集しなかった. このことは, ウシ赤血球膜のI型ガングリオシド(NeuAcおよびNeuGc)が, T. sergenti のレセプターとして機能していることを示唆するとともに, I型ガングリオシド(NeuAc)に比べてI型ガングリオシド(NeuGc)のほうが, ウシ赤血球膜において, T. sergenti のレセプターとして強い活性を持っていることを示唆している. さらに, T. sergenti 感染前後の赤血球を用いて, ウシ赤血球膜のガングリオシド組成の変化を分析したところ, T. sergenti 感染後において, I型ガングリオシド(NeuAc)の量が僅かに(p < 0.05), またI型ガングリオシド(NeuGc)の量が顕著(p < 0.01)に減少した. しかしながら, 他のガングリオシドにおいては, T. sergenti の感染に伴う変化が認められなかった. この現象は, T. sergenti 感染後の赤血球においては必ず認められ, T. sergenti感染に伴う特徴的なガングリオシドの組成の変化であることが示された.
  • 野崎 一敏, 奥山 佳代子, 廉澤 剛, 中山 裕之, 後藤 直彰, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
    1995 年 57 巻 1 号 p. 23-28
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌの自然発生骨肉腫から樹立された骨肉腫細胞株を用いてクローニングを試みた. 本細胞株はヌードマウスへの移植によっても原発巣の組織像の特徴をよく維持し, いくつかの細胞成分から成るものと考えられたが, この細胞株から支持細胞層を利用した限界希釈法により6種類の細胞を分離した. 得られたクローン細胞は形態学的にそれぞれ均一の大きさで, 多角形から紡錘形を呈していた. 倍加時間およびアルカリフォスファターゼ活性値はそれぞれ30±1.4時間から54±1.3時間, 0.040±0.001μmol/min/mg protein から2.610±0.435μmo1/min/mg protein の範囲で各細胞によって異なっていた. 得られた6種類の細胞をそれぞれヌードマウスに移植したところ, 各細胞ごとにそれぞれ骨芽細胞型, 軟骨芽細胞型, 線維芽細胞型または未分化細胞型の均一な組織を形成した. これらの結果から今回得られたクローン細胞は骨肉腫組織の多様性に対応する性状の異なった細胞であり, 骨肉腫細胞の分化, 表現形質あるいは新しい治療法の検討に非常に有用な細胞と思われた.
  • 宮本 忠, 田浦 保穂, 宇根 智, 吉武 信, 中間 實徳, 渡辺 誠治
    1995 年 57 巻 1 号 p. 29-32
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬における手術前後のワクチン接種の免疫学的効果をリンパ球幼若化反応, 抗体価の測定により調べた. 供試犬には手術のために来院した20頭を用いた. 犬パルボウイルス(CPV)抗体価において20頭中17頭において2管以上の抗体価の上昇が認められ, 多くの犬においてワクチン接種後7日目で抗体価の上昇が認められた. また, ワクチン接種時に中等度の抗体価(128-256)をもった犬の4頭中3頭が2管以上の抗体価の上昇が認められた. 犬ジステンパーウイルスの抗体価においてはワクチン接種時に抗体価が32以下であった8頭中4頭において2管以上の上昇が認められた. コンカナバリンAとフィトヘマグルチニンを用いたリンパ球幼若化反応では, ほとんどの犬においてワクチン接種後にわずかな減少が認められたが, 有意な変化は認められなかった. ワクチン接種によると思われる副作用は認められず, また, 血清抗体価の比較的良好な上昇(特にCPV)が認められたため, 手術前後のワクチン接種は免疫抑制を誘発せず, 併発している疾患を悪化させたり, 潜伏感染を臨床的に顕在化させないと考えられた.
  • 北川 均, 鬼頭 克也, 保田 恭志, 佐々木 栄英
    1995 年 57 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬糸状虫症犬63例において酸素の分配と消費を検討する目的で, 酸素分配量指数,酸素消費量指数および摂取率を計算した. 酸素分配量指数は, 犬糸状虫非寄生犬(n=11, 1041±264 ml/min/kg)と比較して, 軽症の肺動脈寄生犬(n=34, 770±331 ml/min/kg), 腹水症状を示す肺動脈寄生犬(n=7, 238±155ml/min/kg), 犬糸状虫摘出後に回復した caval syndrome(CS)例(n=15, 577±320ml/min/kg), 死亡したCS例(n=7, 333±263ml/min/kg)とも低値であった. 酸素消費量指数は, 軽症の肺動脈寄生例で高値を示す例があったが, 腹水症例では低値であった. 酸素摂取率は犬糸状虫寄生犬全群で高値であった. 酸素分配量指数は酸素消費量指数と有意に相関し(r=0.84), 酸素消費量指数は摂取率と有意に相関した(r=0.48). 酸素分配量指数は, 動脈血酸素分圧(r=0.33), 血清LDH活性(r=-0.46), CK活性(r=-0.46), 血清尿素窒素濃度(r =-0.32), 乳酸濃度(r=-0.39)および心指数(r=0.64)と有意に相関した. 酸素分配量指数は, 血清LDH活性(r=-0.43)とCK(r=-0.41)活性, 血清尿素窒素濃度(r=-0.29), 乳酸濃度(r=-0.37), 心指数(r=0.53)および体重(r=-0.34)と有意に相関した. 酸素摂取率は, 混合静脈血酸素分圧(r=-0.38), 血清ALT活性(r=0.31)との相関が有意であった. 以上の所見より, 酸素の分配と消費が, 犬糸状虫症の病態と密接に関係することが明らかとなった.
  • 松元 光春, 西中川 駿, 九郎丸 正道, 林 良博
    1995 年 57 巻 1 号 p. 39-44
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    成熟時の卵巣除去ならびにエストロジェン(E)およびプロジェステロン(P)投与がマウスの腹鼠径部第1乳腺と血管の発達に及ぼす影響を明らかにする目的で, 形態計測, 光顕および電顕を用いて検索した. 乳腺の fat pad に広がる実質の発達程度は E+P 投与群で最大で, 電顕所見では, 導管や bud の上皮細胞は多数のミトコンドリアやリボゾーム, よく発達したゴルジ装置や粗面小胞体を持っていた. 一方, 間質の脂肪細胞は鼠径リンパ節より後部の主要血管の周囲に多胞型が, それ以外の部位に単胞型がみられるが, E および E+P 投与群では単胞型がほとんど全域を占めていた. 従って, 乳腺脂肪組織は実質の発達のべースになることが示唆された. また, 導管や bud を取り囲む毛細血管は E+P投与群で最も密に分布し, 電顕所見ではその内皮細胞は長い辺縁ヒダおよび微絨毛様突起を持っていたが, 飲小胞の密度は除去群間で差がなかった. なお, 乳腺に分布する深腸骨回旋ならびに浅後腹壁静脈の径は E+P 投与群で最大であった. 以上の観察から, 成熟時に卵巣除去したマウスに E+P を投与すると, 乳腺の毛細血管は分布密度の増大と内皮細胞の飲小胞の密度が変わらないという妊娠初期に類似した形態をとっていることが示唆された.
  • 原 宏佳, 折田 直美, 波多野 繁, 市川 洋征, 原 征彦, 松本 尚武, 木村 容子, 寺田 厚, 光岡 知足
    1995 年 57 巻 1 号 p. 45-49
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    仔豚8頭(ランドレース×ダイヨーク)に茶ポリフェノール0.2%添加飼料を2週間投与し, 投与前, 投与7日目および14日目, 投与後7日目における糞便フローラ, 糞便内腐敗産物, 水分, pH を測定した. 腸内フローラは摂取前に比べ投与期間中 Lactobacillus が有意(p < 0.05)に増加し, Bacteroidacease 及び総菌数は有意(p < 0.05)に減少した. また, レシチナーゼ陽性 Clostribum の検出率は摂取期間中低下する傾向を示したが, その他の細菌群の変動はほとんど認められなかった. 腐敗産物については, 糞便内アンモニアが投与7日(p < 0.05)及び14日(p < 0.01)に有意に減少した. フェノール(p < 0.001), p-クレゾール(p < 0.05)及びスカトール(p < 0.01)の糞便内濃度は投与前と比べて投与14日目に有意に減少し, 糞便内短鎖脂肪酸は投与14日目に酢酸と乳酸が有意(p < 0.05)に増加した. さらに, 糞便 pH は投与中僅かに低下し, 糞便の臭気はポリフェノール摂取中減少した.
  • 杉山 和良, 高木 堅二, 金城 俊夫, 仲田 幸文, 小松 俊彦, 北村 敬
    1995 年 57 巻 1 号 p. 51-54
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1986年から1993年に名古屋市内で捕獲されたドブネズミについてハンタウイルスに対する抗体測定を行った. 675例中8例が間接蛍光抗体陽性であった. 抗体陽性ドブネズミは1988年, 1例, 1990年, 1例, 1991年, 3例および1992年に3例検出された. 名古屋港の一埠頭に隣接する居住地区で1990年に捕獲された1例のドブネズミの肺からNR-9株が分離された. 本株は間接蛍光抗体法と中和試験法による抗原解析によりハンタウイルス属のSeoul型ウイルスに分類された. 実験用ラット由来のSR-11株は噛乳ラットに致死的であったが, NR-9株では生存し, 哺乳ラットに対する両株の病原性に差が認められた.
  • 鈴木 敏彦, 丸山 友裕, 諸矯 正昭
    1995 年 57 巻 1 号 p. 55-58
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    尾腺は holocrine 分泌を行うが, その分泌のメカニズムは, 細胞内 lysosome の酵素による自己分解によって引き起こされると, これまで説明されてきた. 本研究では, epidermal differentiation の marker である transglutaminase の, ウズラ尾腺における分布を組織化学的に観察し, epidermal differentiation と類似のメカニズムが, 尾腺にも存在するかどうかを検討した. その結果, transglutaminase 活性は, 尾腺では分泌小管深部, 浅部ともに, 移行細胞層および退行細胞層において陽性であった. また, この活性は残部よりも深部での陽性反応が強かった. これらのことは, ウズラ尾腺での分泌の過程では, lysosome の酵素による自己分解機構以外に, epidermal differentiation と同様のメカニズムも存在することを示唆し, それは深部の方が残部よりも著しいことを示唆した.
  • Tuchili Lawrence M., 児玉 洋, 泉本 洋子, 向本 雅郁, 深田 恒夫, 馬場 威
    1995 年 57 巻 1 号 p. 59-63
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鶏におけるサルモネラ感染を検出するため, ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いた DNA 検出法を従来の菌培養法と比較検討した. Salmonella Gallinarum あるいは S. Typhimurium 実験感染ヒナ臓器からDNAを抽出し, InvA遺伝子を標的とするプライマーを用いて特異DNAを検出した. 菌検出は, 被検材料を選択培地に培養した. 予測されたとおり, サルモネラ感染ヒナ臓器から抽出したDNAから, 284 bp のDNA断片が増幅された. PCR法の感度は菌分離法のそれよりも高く, 菌分離陽性材料のみならず, 陰性材料においても S. Gallinarum および S. Typhimurium DNAが検出された. S. Gallinarum 感染21時間後において15/20例からサルモネラDNAが検出されたのに対し, 5例のみが菌分離陽性であった. サルモネラDNAは試験期間を通して検出可能であった. 今回の実験結果より, PCR法は鶏におけるサルモネラ感染検出の有用な手段となることが示された.
  • 宮沢 孝幸, 板垣 慎一, 朝長 啓造, 池田 靖弘, 森 健, 川口 寧, 玄間 剛, 遠矢 幸伸, 望月 雅美, 見上 彪
    1995 年 57 巻 1 号 p. 65-69
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ネコ巨細胞形成ウイルス(FSV)は, 通常ネコ腎由来株化細胞であるCRFK細胞で強い細胞傷害性を示す. しかし, 感染後細胞傷害を示したCRFK細胞と, 非感染細胞を4回共培養したところ, 持続感染状態になり継代可能となった. 持続感染細胞は, 90%以上の細胞がFSV抗原陽性であり, また, 電子顕微鏡により, 形態的に正常なFSV粒子を産生していることが明らかとなった. しかし, 持続感染細胞は, 細胞傷害を示したCRFKよりも, 少ないウイルス量を産生していた.
  • 野村 紘一
    1995 年 57 巻 1 号 p. 71-74
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    着床期の犬子宮内膜に人工的刺激を加えると, 脱落膜反応が誘起できることを先の報告で明らかにしたが, これらの組織反応は刺激の種類によって相違した. 本報告では,オリーブオイルを刺激源にしたときの組織反応の特徴を明らかにする目的でオリーブオイル注入のみの場合と創傷刺激後に注入した場合の組織像を比較検討した. 前者の場合は,子宮内膜上皮は網状あるいは樹枝状に子宮内腔に向け増殖したが, 機能層並びに基底層子宮腺の豪胞状過形成は起こらなかった. これに対して後者の場合は子宮内膜上皮の増殖以外に創傷性損傷を受けたと思われる箇所を中心にして基底腺の嚢胞状拡張増殖が付加され, いわゆるスイスチーズ様内膜を示した. オリーブオイルのみの刺激で子宮内膜上皮並びに緻密層子宮腺の子宮内腔へ向けての増殖を誘発することができるが, 機能層や基底層の子宮腺の増殖拡張を引き起こすには子宮腺の開口部の損傷が必要である.
  • 山田 治, 阿部 光雄, 竹花 一成, 岩佐 憲二, 平賀 武夫, 平塚 貴浩
    1995 年 57 巻 1 号 p. 75-79
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウシ妊娠黄体の微細血管系の変化を, 血管鋳型の走査型電子顕微鏡観察によって明らかにした. 妊娠黄体の微細血管系には卵巣動脈から直接分枝した1本のラセン状動脈が注いでいた. 妊娠黄体の微細血管系は小葉単位から成り, 全体として小葉状の洞様毛細血管叢の集合体であった. これは大きな黄体を有するウシ黄体の血管構築の特徴と考えられた. 妊娠後期では, 小葉内には動静脈吻合が出現するため洞様毛細血管叢への血液供給が減少し, 結果として, 小葉内洞様毛細血管が細くなり, 妊娠黄体が退行するものと考えられた.
  • 岡野 昇三, 多川 政弘, 浦川 紀元
    1995 年 57 巻 1 号 p. 81-85
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    PAF桔抗薬であるCV-3988のエンドトキシンショックに対する治療効果について循環動態, 血中 6-keto-PGF および Thromboxane B2濃度を検討した. 供試動物は, ペントバルビタール全身麻酔下のビーグル犬10頭を治療群(n=5)および対照群(n=5)に群分けし用いた. 実験は, 両群にエンドトキシン(Lipopolysaccharide, 3mg/kg)を一回静脈内投与し, 治療群には, エンドトキシン投与終了直後にCV-3988(10mg/kg)を10分間で静脈内投与した. エンドトキシン投与により両群ともに大動脈圧, 心拍出量および尿量が低下した. 治療群においては, CV-3988投与後に大動脈圧, 心拍出量および尿量が対照群に比較して有意に高値を示した. また, 血中 6-keto-PGF および Thromboxane B2濃度の上昇が有意に低値であった. これらのことよりエンドトキシンショックに対するCV-3988投与の有用性が示唆された.
  • 和田 直己, 城崎 明徳, 高山 里英, 宇根 智, 藤中 孝二, 杉浦 孝夫, 徳力 幹彦
    1995 年 57 巻 1 号 p. 87-92
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ネコの尾筋ECL(m. extensor caudae lateralis)とECM(m. extensor caudae medialis)の運動ニューロンと筋(ECL)の生後発達に関して, 1週齢から2か月齢のネコを用いて研究を行った. 運動ニューロンの脊髄内の位置については生後変化は観察されなかった. 運動ニューロンの細胞体のサイズは徐々に大きくなり, 2か月齢でほぼ成熟ネコの運動ニューロンの大きさに達した. ECLのSDH (succinate dehydrogenase)とPFK(phosphofructokinase)の測定を行った. SDHは1-2週齢の間に急速に減少し, 一方PFKは徐々に増加した.
  • 鹿野 創人, 嶋田 照雅, 中田 健一, 橋口 理恵, 小野 憲一郎
    1995 年 57 巻 1 号 p. 93-97
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マウスのバベシア症の主な原因種である Babesia microti (BM)および Babesia rodhaini (BR)における糖代謝関連酵素活性を比較検討した. 嫌気的解糖系の代表的酵素である Lactate dehydrogenase (LDH)活性ではBMがBRより有意に低い値を示した. 逆にTCAサイクルの酵素である Malate dehydrogenase (MDH)および Citrate synthase (CS)活性ではBMがBRより高い値を示し, また Pyruvate dehydrogenase (PDH), isocitrate dehydrogenase (ICDH), α-ketoglutarate dehydrogenase (KGDH)および Succinate dehydrogenase (SDH)活性でもBMが高い傾向を示した. 虫体の増殖に伴う酵素活性の変動を検索したところ, BM感染マウスでは寄生赤血球率の増加に伴ってBM虫体のLDH活性は減少し, 逆にMDHおよびCS活性は著しく増加した. またPDH, ICDH, KGDH, SDH活性も増加する傾向を示した. 一方, BR感染マウスでは寄生赤血球率の増加に伴い, 虫体のLDH活性が著しく増加した. またMDHおよびCS活性にも若干の増加が認められたものの, PDH, ICDH, KGDH, SDH 活性に変動は見られなかった. このことから, BMおよびBRはその糖代謝にそれぞれ好気的および嫌気的経路を利用している可能性が考えられた.
  • 林 慶, 西村 亮平, 山木 明, 金 輝律, 松永 悟, 佐々木 伸雄, 竹内 啓
    1995 年 57 巻 1 号 p. 99-104
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌにおけるメデトミジン20μg/kg-ミダゾラム0.3mg/kgの循環・呼吸器系におよぼす効果について, メデトミジン80μg/kg単独使用時の効果と比較検討した. メデトミジン-ミダゾラム投与後, 心拍数は有意に減少しその後50~70(回/分)程度で安定していた.血圧は一過性に上昇しその後徐々に低下した. 心係数は心拍数の減少にともない低下した. しかしこれらの変化は, メデトミジン80μg/kg単独使用時より軽度で, 測定時間を通して心係数は有意に高く全身血管抵抗は有意に低かった. また呼吸器系への影響は軽微であった. これは, メデトミジンの用量を1/4に減ずることによりメデトミジンの循環器系への, 特に末梢性への作用が軽減したためと考えられた. これらの変化はアティパメゾール80μg/kgの投与により効果的に桔抗され, メデトミジン-ミダゾラム投与後有意に変化していた心拍数, 心係数, 全身血管抵抗はアティパメゾール投与後ほぼ薬剤投与前値に回復した. その他の大きな変動は認められなかった. 有効な桔抗薬の存在は, イヌにおけるメデトミジン-ミダゾラムの有用性と安全性をさらに高めるものと考えられた.
  • 永岡 勝好, 織間 博光, 藤田 道郎, 一木 彦三
    1995 年 57 巻 1 号 p. 105-109
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬の先天性膝蓋骨脱臼は, 超小型および小型犬種に多くみられ, そのほとんどは内方脱臼である. 脱臼が放置されると患肢の変形や発育障害が起こり, 重症例では患肢は機能喪失に陥ることが多い. 従って, できる限り早期に外科的矯正を行う必要がある. しかし, 飼主が異常に気付くのが遅く, 一般に6ヶ月齢頃に手術される例が多い. 著者らは繁殖者および飼主を教育することにより, 早期に手術する機会を得た. 矯正には種々の術式が開発され, 広く応用されてきたが, それらの効果は多様である. 著者らは独自の手術法を開発し, それを1985年以来多数の症例に応用して良好な成績を得た. 術式は脛骨粗面の内側の皮質骨を脛骨稜に沿って縦の溝を切り, これに人工骨セラミックスまたは自家骨移植片の小片を挿入し, 脛骨粗面と脛骨稜を外方へ偏位させる. この方法で大腿四頭筋, 膝蓋骨, および膝蓋靭帯を大腿骨滑車の上に正しくアラインメントできる. 従って, この手術は犬が麻酔および手術侵襲に充分耐えることができる1.0~3.0ヶ月齢に行うのが最も良いと考えられた.
  • 村田 智昭, 井上 誠, 田浦 保穂, 中間 實徳, 阿部 寛, 藤崎 幸蔵
    1995 年 57 巻 1 号 p. 111-112
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    我々は1990年から1992年にかけて山口・福岡の両県で58頭の Hepatozoon canis 感染犬から220個体のダニを採集した. これらのダニは Haemaphysalis campanulata, H. longicornis, H. flava, Ixodes ovatus, I. nipponensis であった. 組織学的検索の結果, H. longicornisの成雌とH.flava 若ダニの各1個体の血体腔に約300×150μm大のH. canisのオーシストが観察された. このオーシストは10から16個のスポロゾイトを含む50から70個のスポロシストからなっていた.
  • 菊池 直哉, Blakeslee James R., 平棟 孝志
    1995 年 57 巻 1 号 p. 113-115
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    馬由来 Klebsiella pneumoniae からプラスミドを検出し, そのプロファイルを比較検討した. 子宮内膜炎感染馬の子宮拭い液および健康種雄馬精液由来莢膜型1の39株はほぼ同様のプラスミドプロファイルを示し, 全ての株が125 Mdプラスミドを保有していた. 一方, 莢膜型1以外の生殖器, 糞便および鼻腔内拭い液由来31株は多様なプラスミドプロファイルを示し, 125 Mdプラスミドを保有している株はみられなかった.
  • 樋口 誠一, 藤森 基成, 星 史雄, 川村 清市, 安田 純夫
    1995 年 57 巻 1 号 p. 117-119
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    クリイロコイタマダニの幼ダニをウサギに吸血させた後, その唾液腺内のB. gibsoni の発育について4日間観察を行った. 吸血後の4日間に, 唾液腺内の B. gibsoni は分裂する過程でスポロントとスポロゾイトの型をとることが観察された. 吸血後4日目のダニ唾液腺内細胞はスポロゾイトとそれらの放出に伴う空洞化が明瞭に認められた. B. gibsoni はフタトゲチマダニ・唾液腺内での発育と同様の形態を示した.
  • 足立 幸蔵, 立石 美加, 堀井 洋一郎, 永友 寛司, 清水 高正, 牧村 進
    1995 年 57 巻 1 号 p. 121-123
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Immunoblotting法を用いて, B. gibsoni 感染犬血清中抗赤血球膜抗体及び赤血球解離IgG抗体について調べた. Immunoblotting 解析の結果, 感染前及び感染血清中抗赤血球膜抗体は, 自己及び非自己のバンド1, 2, 2.1, 4.1, 4.2, 5(赤血球細胞骨格形成タンパク質)及びバンド3(赤血球膜貫通露出糖タンパク質)を, 赤血球解離IgG抗体は, 自己及び非自己のバンド3及び4.2を, bそれぞれ認識していた.
  • 伊藤 隆, 斎藤 志保子, 八柳 淳
    1995 年 57 巻 1 号 p. 125-127
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Polymerase Chain Reaction 法を用いて, Campylobacter jejuni の検出を試みた. C. jejuni の flagellin A遺伝子のDNAシークエンスから設計したプライマーを用いてPCRを行った. このプライマーはC. jejuni を特異的に検出したが, C. coil, C. fetus, サルモネラ, 大腸菌DNAは増幅しなかった. また, この方法によって鶏敷料中に接種したC.jejuni についても, 特異的に検出することができた.
  • 鹿野 創人, 岩井 勇二, 嶋田 照雅, 小野 憲一郎, 鈴木 直義
    1995 年 57 巻 1 号 p. 129-131
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Babesia rodhaini(BR) および Babesia microti(BM) について, glucose-6-phosphate dehydrogenase(G6PD), malate dehydrogenase(MDH), lactate dehyd-rogenase(LDH)のアイソザイムパターンを検討した. G6PDとMDHのアイソザイムパターンではBRとBMとの間に差を認めなかったが, LDHのアイソザイムパターンではBRで5本の分画が検出されたのに対し, BMでは一本の分画として検出された. この結果, BRとBMは遺伝子レベルで異なっている可能性が示唆された.
  • 原 康, 多川 政弘, 江島 博康, 織間 博光, 山上 哲史, 梅田 昌樹, 小守 忍, 鷲巣 誠
    1995 年 57 巻 1 号 p. 133-135
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    肥大性骨症と診断された犬の縦隔部腫瘤の外科的切除を行った. 手術中の所見では腫瘤は胸部迷走神経に由来しており, また病理組織学的に悪性神経鞘腫と診断された. 術後710日まで検診を行ったところ, 四肢の腫脹・跛行などの臨床症状は術後7日で消失し, またX線検査では, 術後58日以降に骨増殖体の経時的な減少が認められた. この所見は前・後肢ともにほぼ両側対象性に, また後肢で顕著であった.
  • 佐藤 良彦, 和田 浩彦
    1995 年 57 巻 1 号 p. 137-138
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1991年にジュウシマツの S. Typhimurium 感染症の集団発生がみられた飼育場において, 1992年12月にキンカチョウの糞便から S. Typhimurium が分離された. 分離サルモネラは, 1991年に分離されたサルモネラと同様の薬剤感受性を示し, プラスミドプロファイルでは同様に60 Mdalのプラスミドを保有していた. キンカチョウからのサルモネラ分離は, 本報告が最初である.
  • 織間 博光, 清水 幹子, 筒井 敏彦, 河上 栄一, 小笠 晃
    1995 年 57 巻 1 号 p. 139-141
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大のビーグル10頭(4-8歳)に対し, 抗男性ホルモン剤の酢酸クロルマジノン(CMA)0.5または2.0mg/kg/dayの連日経口投与を1.2週間実施した. その結果, 1および2週間の2.0mg投与群では, 前立腺縮小効果は, 0.5mg投与群より強く現れ, 投与開始後56日および84日においても, 前立腺容積は, CMA投与前のそれぞれ63%, 79%であった. また, CMA投与後の血中LHおよびtestosterone値に, 著しい減少はみられなかった. 以上の成績から, 前立腺肥大症の犬にCMA2.0mg/kg/dayを1週間経口投与することにより, 副作用の発現なく約3ヵ月またはそれ以上にわたって治療効果が持続することが判明した.
  • R. HAZIROGLU, A. ATASEVER, M. Y. GULBAHAR
    1995 年 57 巻 1 号 p. 143-145
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1頭の犬の空腸の腸間膜寄りに直径4mmの孤在性結節が偶然に見つかった. 腸粘膜には噴火口状の開口部があった. この結節は空腸筋層に形成された管状組織から成り, 健常腸粘膜に類似した粘膜によって内張りされていた.
  • 前田 健, 川口 寧, 小野 満, 田島 朋子, 見上 彪
    1995 年 57 巻 1 号 p. 147-150
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    猫ウイルス性鼻気管炎の臨床例より新たに分離されたネコヘルペスウイルス1型(FHV-1)野外株は制限酵素MluIの使用により3種類の遺伝子型(C7301, F2, C7805タイプ)に分類された(前田ら, 1995). 本研究ではFHV-1 C7301株(日本の代表株)に感染した猫の血清を用いたイムノブロット解析を行い免疫原性を有する産物の変異を検討した. その結果, C7301タイプでは36kDaバンドが認められる群と認められない群に分かれた. F2およびC7805タイプではいずれも36kDaバンドは認められなかった. C7301タイプに属する1つの株(91-58)において分子量70kDaバンドが消失し75kDaバンドが検出されたが, 残りの76株においてはバンドの変化は観察されなかった. 今回の結果と以前報告した結果を合わせるとFHV-1野外株は少なくとも4種類の群に分類できた. この分類は野外株におけるFHV-1感染の疫学調査に役立つものと考えられる.
  • 代田 欣二, 田中 なつは, 宇根 有美, 野村 靖夫, 亀井 勝浩
    1995 年 57 巻 1 号 p. 151-154
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    軟骨異形成症を示す大ヨークシャー矮小新生豚の腎糸球体毛細血管壁に好酸性無構造物質の沈着を認めた. この物質はIII型コラーゲンより成り, 皮質浅層の原始糸球体にはなく, 深部成熟糸球体に頻繁かつ高度に沈着し, 電顕的に異常コラーゲン細線維であった. 糸球体線維症はメサンギウム細胞の分化, 成熟に伴うIII型コラーゲン産生のためと思われた.
  • 山田 一孝, 宮原 和郎, 佐藤 基佳, 広瀬 恒夫, 八杉 幸浩, 松田 幸夫, 古濱 和久
    1995 年 57 巻 1 号 p. 155-156
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    0.2T永久磁石型低磁場MRIにより, 幼若ネコ(生後3週齢, 体重550g)の画像を得るため, RFコイルを作製し, 撮像条件を検討した. その結果, 大脳横断T1およびT2強調画像により灰白質, 白質, 脳室および脳溝が, 脊髄矢状断T2強調画像により椎間板および脳脊髄液がそれぞれ良好に観察された. 低磁場MRI装置でも, 小型動物における中枢神経系の非侵襲的な診断が可能であった.
  • 林 正信, 井尾 賀津子, 古市 達哉, 任 暁明, 磯貝 恵美子, 渡辺 智正, 波岡 茂郎
    1995 年 57 巻 1 号 p. 157-160
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マレック病ウイルス(MDV)由来リンパ腫株化細胞 MDCC-MSB1(MSB1)と PR1(RP1)の5-アザシチジン(5-AzC)処理によってMSB1ではBamHI-Hなどの領域からのmRNA合成が増加するが, RP1では変化しない. また, 5-AzC処理MSB1のMDV DNAのBamHI-H領域にはDNasel高感受性部位が出現するが, 5-AzC処理RP1では見られない. DNasel高感受性部位の出現はヌクレオソーム構造の変化を示し, この変化とMSB1でのmRNA合成の増加との関連が示唆された.
  • 林 子恩, 鄭 明珠, 猪島 康雄, 朝長 啓造, 宮沢 孝幸, 遠矢 幸伸, 戸尾 祺明彦, 呂 栄修, 見上 彪
    1995 年 57 巻 1 号 p. 161-163
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1993年7月から1994年1月にかけて台湾の淡水, 台中ならびに彰化で採取したネコ血清75検体を用いて, ネコ免疫不全ウイルス(FIV), ネコシンシチウムウイルス(FSV)およびネコ白血病ウイルス(FeLV)に対する血清疫学調査を行った. その結果, 採取した淡水の血清24検体中3検体からFIV特異抗体が検出された. またFIVの全体陽性率は4%であった. なお, FSVとFeLVの陽性率はそれぞれ28%と1.3%であった. 以上の結果より台湾におけるFIVおよびFeLVの保有率はアメリカおよび日本に比べて低く, FSVの保有率は日本と同様に高いことが明らかとなった.
  • 中田 陽子, 塚谷 由夏, 小坂 俊文, 宮守 美由紀, 桑原 正人, 田中 茂男, 小出 英興
    1995 年 57 巻 1 号 p. 165-167
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌ Natural killer (NK) 細胞における Natural killer cytotoxic factor (NKCF) の存在およびNKCF放出の機構について検索した. 効果細胞と標的細胞との混合培養上清中の細胞障害性因子の放出量はNK介在細胞障害性およびNK細胞数に依存していた. このことからこの細胞障害性因子はNKCFであることが示唆された. NKCFはNK感受性標的細胞と末梢血リンパ球との混合培養上清中には多く放出されたが, 非感受性細胞との混合培養上清中にはほとんど放出されなかった. また, 標的死細胞または標的細胞膜を用いた場合にも同様にNKCFが放出された. 以上のことから標的細胞膜構造はNK細胞による認識, 結合およびNKCF放出に関与していることが示唆された.
  • 内田 達也, ハスブラ , 中井 裕, 扇元 敬司
    1995 年 57 巻 1 号 p. 169-171
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Eimeria tenella オーシスト抗原を Eimeria に感染した仔ウシの血清抗体の検出に応用した. イムノブロッティングにおいて感染ウシ血清は E. tenella 抗原の複数のポリペプチドバンドに強い反応を示し, ELISAでは感染血清は正常血清よりも高い吸光度を示した. ELISAの実施条件としては E. tenella 胞子形成オーシストから調製した可溶性抗原2.5μg/ml, 血清希釈倍率200倍が好適であった.
  • 植田 祐二, 生川 憲明
    1995 年 57 巻 1 号 p. 173-176
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    テルデカマイシン(TDM)の効果を Serulina hyodysenteriae の実験感染豚を用いて調べた. 予防試験で, TDMを感染前7日目から感染後21日目までの28日間, 飼料に添加し与えた. TDMを5ppm又は10ppm投与した場合, 菌の定着, 臨床症状の発現及び大腸における病変の形成が阻止された. 治療試験では, 粘血下痢便発現後にTDM添加飼料に切り替え, 10日間給与した. TDMを20ppm与えた場合, 症状は改善され, 糞便から菌が消失した.
  • 清宮 幸男, 岡田 幸助, 大島 寛一, 村上 隆宏, 舩山 泰子, 播谷 亮, 浜岡 隆文
    1995 年 57 巻 1 号 p. 177-181
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    4か月間に1農場の6から15か月齢の肥育子牛73頭が, 四肢の運動失調を示した. 多種類のビタミン投与や針治療により, 約10頭の運動失調子牛が回復した. 検索した14例の主要な組織病変は脊髄白質の両側性空胞変性であり, 軸索変性を伴っていた. 電子顕微鏡的観察により, 空胞は軸索周囲領域に存在し, 解離した髄鞘層板により縁取られていた. これらの内臓諸器官から有意な細菌は分離されず, 血清銅含量も正常であった. 運動失調の病因は不明である.
  • 佐藤 繁, 鈴木 利行, 岡田 啓司
    1995 年 57 巻 1 号 p. 183-185
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ケトン症牛の末梢血リンパ球幼若化能(LB)およびLBに及ぼすケトン体の影響を検討した. ケトン症牛のLBは健康牛に比べ低値を示し, PHAおよびPWMのLBと血清総ケトン体およびβヒドロキシ酪酸濃度の間に負の相関が認められた. 健康牛のLBはアセト酢酸やβヒドロキシ酪酸感作によって有意な低値を示した. ケトン症牛における血清アセト酢酸およびβヒドロキシ酪酸濃度は, リンパ球の増殖を抑制する作用のあることが明らかとなった.
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