1995 年 57 巻 2 号 p. 311-315
5歳になる11頭のアンダルシアンと9頭のアラブを用いて, 運動を付加した場合における血液性状の変化を調べた. 今回の運動プログラムは, 運動強度を4段階にわたって漸次増加させた (15,20,25,30km/hr). 運動の各段階の持続時間は5分間であった. 血液採取は, 運動開始前の休息期, 各運動段階の終了直後, および運動終了後10分ならびに30分経過した回復期に行い, 計7回実施した. 分析した血液成分は, 赤血球数, ヘマトクリット値, ヘモグロビン値, 容積指数 (MCV, MCH,ならびにMHCH), および総血漿タンパク値であった. 運動により生じた変化および2品種間の差を調べた結果, アラブでは, 運動開始前の休息期, 各運動段階終了直後, および運動終了後10分経過した回復期に, 総血漿タンパク値がアンダルシアンよりも高かった. その他の血液成分は, 2品種間で類似の値をとり, 有意差は存在しなかった.