Journal of Veterinary Medical Science
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57 巻 , 2 号
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  • 石川 浩義, 内藤 順平, 大森 保成, Suprasert A., 井上 勝博, 渡邊 徹
    1995 年 57 巻 2 号 p. 187-192
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鳥類は大脳皮質がほとんど発達していないため, 哺乳類とは異なり皮質-脊髄路は見られない. そのため, 網様体-脊髄路は, 赤核-脊髄路, 前庭-脊髄路と共にニワトリでは重要な脊髄への投射路である. この研究では, ニワトリの網様体-脊髄路を哺乳類のそれと比較する目的で, 2種類の逆行性蛍光トレーサー (Fast-Blue : 細胞質を標識, Diamidino-Yellow : 細胞核を標識)をニワトリの腰髄と仙髄に圧注入 (各2μl) を行った. 7日後に, 凍結連続切片 (30μm厚) を作製し, 共焦点レーザー蛍光顕微鏡で観察した. 脳幹から腰髄または仙髄への投射ニューロンの分布は, 橋と延髄では明瞭に異なった. 即ち, 腰髄または仙髄に投射するニューロンは, 延髄では主に経線核, 傍正中網様核, 巨大細胞性網様核などの網様体腹側部に分布し, 背側部にはわずかに観察されたのみであった. 一方, 橋では仙髄に投射するニューロンは, 青斑核, 青斑下核などの橋被蓋の背外側部に多く分布したが, 腰髄に投射するニューロンは, 背外側部より腹内側部にやや多く分布した. しかし, 全体的には脳幹網様体からの脊髄投射ニューロンは,部位により背腹方向に異なる分布様式を示した. この様な鳥類の網様体-脊髄投射ニューロンのdorsoventral organizationは, 哺乳類のそれと基本的には同じであった. また, 腰髄と仙髄の両方に投射する二重投射ニューロンが, 延髄網様体の腹側部と橋被蓋の背外側部に観察された.
  • 木下 現, 鷲巣 誠, 近藤 元紀, 松倉 克仁, 鷲巣 月美, 本好 茂一
    1995 年 57 巻 2 号 p. 193-197
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    インドメタシンが肝臓の血行動態および酸素需給動態に及ぼす影響を右心バイパス法を用いて検討した. インドメタシンの選択的腸血流管収縮作用によって門脈血流量が減少した. 一方, 肝動脈血流量はインドメタシン投与後増加したが, 総肝血流量はインドメタシンの投与によって変化しなかった. 門脈血酸素供給量はインドメタシン投与後著明に低下した. この低下は, 門脈血流量と門脈血酸素含有量の双方が減少したためであった. しかしながら総肝酸素供給量はインドメタシン投与前後で変化しなかった. これはインドメタシン投与後, 肝動脈血酸素供給量が増加したためであった. 肝酸素消費量および肝酸素利用率はインドメタシンの投与によって影響を受けなかった. 以上の結果, インドメタシンの投与によって門脈血流量および門脈血酸素供給量の低下が起こったが, 総肝血流量および総肝酸素供給量は良く維持されていたことが判明した.
  • 嶋田 照雅, 松本 安喜, 奥田 優, 桃井 康行, 盆子原 誠, 亘 敏広, 後飯塚 僚, 小野 憲一郎, 後藤 直彰, 辻本 元, 長谷 ...
    1995 年 57 巻 2 号 p. 199-204
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ネコ白血病ウイルス(FeLV)感染症における赤白血病の発生は比較的まれであるが, ネコの多頭飼育家庭において赤白血病がFeLV自然感染ネコ2例に認められた. 症例1は, 1歳齢の去勢雄ネコであり, 急性白血病のFAB分類にしたがって診断を行ったところ, 骨髄異形成症候群(MDS-Er)から赤白血病(M6)ヘ進行を示した症例と考えられた. 症例2は症例1と密接に接触のあった1歳齢の避妊雌ネコであり, 症例1に続いて赤白血病(M6Er)を発症した. 両方の症例において, 骨髄における未分化な赤血球系前駆細胞の顕著な増殖が認められた.症例1の末期には, 顆粒球系細胞の著しい腫瘍性増殖も認められた. ダウノマイシンを中心に用いた多剤併用化学療法はこれは2例の赤白血病に対して一時的に効果を示したが, 完全寛解を得ることはできなかった. FeLV特異的プローブを用いたサザンブロット解析では, これら症例で認められた腫蕩細胞がクローン性に増殖していたこと, および症例1のM6の時期にはMDS-Erの時期とは異なる腫瘍細胞クローンが増殖していたことが見出された. さらに, 症例1の腫瘍細胞には, 通常のFeLVとは制限酵素地図の異なる変異株が感染していることが認められた.
  • 松本 雅裕, 張 春花, 小杉 千里, 松本 勇
    1995 年 57 巻 2 号 p. 205-211
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    尿や血液などの体液中に含まれる代謝成分は比較的定常値を保っている. 代謝性疾患では体液成分に変動が生ずるため, 変動した成分を検索することによって病態を明らかにすることができる. われわれは, 健康なイヌと病状を伴ったイヌとについてガスクロマトグラフイー質量分析計(GC・MS)を用いて代謝プロフィルを調べるとともに, ヒトの代謝プロフィルとの違いについても検討した. 本報では健康なイヌの種による違いと, ヒト新生児との尿中代謝プロフィルの違いを検討した結果について述べる. 実験にはDalmatian種とShetland sheepdog種のイヌを用い, ヒトでは新生児期の子供の尿を用いた. 尿は大過剰に存在する尿素をウレアーゼ処理して除いた後凍結乾燥し, トリメチルシリル化剤を加えてトリメチルシリル誘導体としてGC/MS分析した. その結果, 1) ヒトではプリン体の異化終産物は尿酸であるが, Shetland sheepdog種ではアラントイン, Dalmatian種ではヒトと同じ尿酸が終産物として検出された. 2) またShetland sheepdog 種のイヌでも腎疾患のイヌでは尿酸が最終産物として検出された. 3) ヒト尿中に検出されないフェニルアセチルグリシンがイヌ尿中に大量に排泄され, グリシン抱合能が高いことが示された. 以上の知見に基づいて, イヌの代謝生化学における特徴について考察し, 実験動物として用いる場合の問題点について考察した.
  • 奥村 滋, 竹田 明子, 宮本 徹, 萩尾 光美, 藤永 徹
    1995 年 57 巻 2 号 p. 213-218
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    急速輸液時の体内水分動態を検討するため, 全身麻酔下で両側腎血管紮犬およびオレイン酸投与による肺毛細血管透過性亢進モデル犬を作製して乳酸リンゲル液を90ml/kg/hrで30分間の急速輸液を行った. 熱-Na二重指示薬希釈法による肺血管外水分量, 腹水量, 尿量および各種臨床パラメーターを経時的にモニターした. その結果, イヌに急速輸液という水分力学的負荷を与えても, 過剰な水分は健康では主に尿として排泄, また腎血管結紮モデルでは腹腔内に漏出され, 肺血管外水分量は軽度上昇するものの輸液終了後は回復に向かい, 肺水腫は発現しにくいことが示された. 一方, 肺血管透過性の亢進がある場合には過剰な水分が肺において急速に漏出するために肺水腫が発現しやすいことが示された.
  • 中川 紀子, 森松 正美, 川崎 昌美, 中辻 浩喜, 首藤 文栄, 斉藤 昌之
    1995 年 57 巻 2 号 p. 219-223
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    反芻動物の肝臓での急性相タンパク質の合成調節には, 他の動物とは異なる機構の存在が示唆されている. この機構を解明するため, ウシ初代培養肝細胞を用いてハプトグロビン(Hp)の合成について, インターロイキン(IL)-1, IL-6, 腫瘍壊死因子(TNF)の効果を調べた. 肝細胞を各サイトカインで刺激後, タンパク質合成量とmRNAレベルを免疫沈降法とノーザンブロット法で分析した. Hpの合成はIL-6とTNFにより増加したが, IL-1では効果は無かった. これらはmRNAレベルの変化とパラレルなので, 主に翻訳前調節の効果と考えられる. 一方, アルブミン合成はいずれのサイトカインでも抑制された. これらの結果は, 他の動物種の急性相タンパク質合成においてTNFとIL-1は共通した伝達経路により作用するという報告とは一致しない. したがって, ウシHp遺伝子の転写調節にはウシ特有の情報伝達経路が存在することが示唆された.
  • トーレス ボジノ フェルナンド, 佐藤 邦忠, 岡 明男, 菅野 幸夫, 保地 真一, 小栗 紀彦, ブラウン ヨアヒム
    1995 年 57 巻 2 号 p. 225-229
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    輓用種牡馬4頭について, 精液性状, 繁殖成績, 及び精液の保存性(液状保存と凍結保存)の関係を検討した. 精液性状については膠質除去後の精液量, 精子の濃度, 正常精子率, 及び精子運動性を調べ, また繁殖成績については過去3年間の累積の妊娠率とした. 精液の液状保存は5℃で行い, 0, 24, 48, 72時間目に精子の運動性を調べた. 精液の凍結保存には2種類の異なる希釈液(ブドウ糖-EDTA-ラクトース・卵黄希釈液, 脱脂粉乳-清澄卵黄希釈液)を用い, 凍結融解後の精子運動性と正常精子率を調べた. 精液性状の各値と繁殖成績は通常の変動範囲内にあったが, 膠質除去後の精液量, 正常精子率, 精子運動性, 及び繁殖成績に種牡馬間で有意差が認められた. しかしこれらのパラメーター間には相関性は認められなかった. 液状精液の保存性には種牡馬間で有意差が認められ, 保存前の精子運動性が最も高い個体で最も良好であった. また凍結精液では使用した希釈液にかかわらず融解後の精子運動性(13.8~26.3%)と正常精子率(19.5~38.0%)はともに低い値であった. 個々の種牡馬において精液の液状保存と凍結保存の結果には相関性が認められなかった. 以上の結果から, 精液の保存に対する適性を他のパラメーターから類推することは困難であると思われた. 輓用種牡馬精液の耐凍性を向上させるには,現在の凍結精液作製に関わる標準的手法に改良を加える余地が残されている.
  • 佐々木 えりか, 金井 幸雄, 近宗 干城, 櫻井 通陽
    1995 年 57 巻 2 号 p. 231-236
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    c-kit遺伝子がコードしているKitタンパク質チロシンリン酸化酵素は, stem cell factor(SCF)の受容体であり, 各種造血系前駆細胞等の分化・増殖に必須である. Cos-1細胞にニワトリc-kit遺伝子を有する発現ベクターを導入し, 野生型chKitタンパク質(chKit+), およびタンパク質中の777番目のアスパラギン酸残基がアスパラギン残基に置換した変異型chKitタンパク質(chKit 42)を発現させた結果, N-グリコシド型糖鎖が付加した130キロダルトン(kDa)および145 kDaのタンパク質の産生が認められた. chKit+は, ニワトリSCFの刺激によりその自己リン酸化の程度が上昇するが, マウスSCFに対しては応答しなかった. また, chKit 42の自己リン酸化酵素活性は認められなかった. さらに, ニワトリ脳においてシアル酸残基が付加した145 kDaのchKitが存在すること, また, このタンパク質が自己リン酸化酵素活性を持つことが示された. 以上の結果はchKitが噛乳類のKitタンパク質と構造的および機能的に類似していることを示しており, chKitがニワトリの造血系の前駆細胞等の分化・増殖に関与している可能性を示唆するものである.
  • Bhaiyat M. I., 古林 与志安, 板倉 智敏, Islam M.A., 喜田 宏
    1995 年 57 巻 2 号 p. 237-244
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウズラより分離した中等毒型ニューカッスル病ウイルス(Q0)を鶏の脳で10代継代することにより神経馴化株(Q10)を作出し, これらのウイルスをSPF鶏に経鼻接種した. 両ウイルス接種鶏とも接種後1週間は毎日, その後は10, 14および21日後にそれぞれ2羽ずつ剖検し, 病理組織学的およびウイルス学的検索を実施した. (Q10)接種群では, 高い致死率を示し, 神経症状を伴う非化膿性脳炎が所見された. 中枢神経病巣は, parahippocampal cortex, hippocampus, hyperstriatum, neostriatum並びに軟膜下および脳室周囲領域に主座する神経細胞の変性・壊死, 囲管性リンパ球浸潤および巣状ないし瀰慢性アストログリオーシスを特徴としていた. このほか, 神経細胞の変性および軸索スフェロイドの出現を伴う海綿状変化が少数例の脳幹で所見された. 脳のウイルス量は接種後4日目で最大となったが, 接種後6日目以降は皆無であった. (Q0)接種群では, (Q10)接種群とは対照的に, 致死率は0%, 臨床症状も認められず, 脳からウイルスは回収されなかった. これらの中枢神経の組織病変としては, 極く軽微な炎症性変化のみが所見された. 両ウイルス接種鶏間での中枢神経病変のこの様な相違は, ウイルスの神経病原性に関連するものと考えられ, 継代によるウイルスの神経馴化力く神経細胞におけるウイルス複製能の増大により誘導されたものと解された.
  • 田辺 茂之, 田浦 保穂, 古澤 修一, 廣田 好和, 田中 紀則, 横須賀 誠, 近藤 千雅, 萬場 光一, 中市 統三, 中間 實徳
    1995 年 57 巻 2 号 p. 245-249
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マウスにおけるラット肝細胞に対する遅延型過敏(DTH)反応が, マウスclass II, CD4, CD8抗原に対するモノクローナル抗体を用いて, フローサイトメーターによる解析および免疫組織化学的検索により調べられた. マウスには106個ラット肝細胞により皮下に感作し(以下, 皮下感作群とする), 対照マウスには無菌ハンクス液を皮下に接種した(以下, 非感作群とする). 4日後, 105個ラット肝細胞を, 皮下感作群および非感作群の足蹠に接種した. 接種24時間後の皮下感作群におけるDTH反応は非感作群に比して有意に増加した. 皮下感作群の足蹠におけるclass II+, CD4+, およびCD8+細胞数ならびに鼠径リンパ節中のCD4+細胞数とCD8+細胞数は非感作群に比して有意に多かった. 皮下感作群のCD4+細胞数はCD8+細胞に比べ顕著に増加した. さらに, 皮下感作群の足蹠における免疫組織化学的検索では, CD4+細胞がCD8+細胞に比して抗原注入部位において顕著な浸潤を示した.以上の結果より, ラット肝細胞で感作されたマウス足跡におけるDTH反応は, CD4+細胞の浸潤と関係していることが示唆された.
  • アワル モハマッド アブダル, 松元 光春, 西中川 駿
    1995 年 57 巻 2 号 p. 251-256
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ラットの心臓から腹鼠径部第1乳腺にいたる主要動脈の処女, 妊娠, 泌乳および離乳期における変化を光顕ならびに形態計測学的に検索した. 動脈は, 中膜の弾性線維や平滑筋細胞などの量により, 弾性型, 移行型, 筋型に分類され, ラットでは, 上行大動脈から腹大動脈までは弾性型, 外腸骨動脈から大腿動脈近位部までは移行型, 深腸骨回旋動脈, 外陰部動脈, 浅後腹壁動脈, 乳腺動脈ならびに大腿動脈遠位部は筋型に分類された. 腹大動脈の中膜は外膜より薄く, 弾性板は5~6層と少なく, 層間が広かった. 浅後腹壁動脈などの乳腺に分布する動脈の内弾性膜は, 処女期では多くの波状がみられるが, 泌乳期では減少していた. 弾性型動脈の外径, 内径および厚さは, 生殖周期による変化がみられなかったが, 特に, 乳腺に直接分布する深腸骨回旋動脈, 外陰部動脈および浅後腹壁動脈では, 泌乳期で最大値を示した. 以上の観察から, 動脈壁の構造と外径, 内径および厚さの変化は, 乳腺の機能状態と密接に関連していることが示唆された.
  • 田口 清
    1995 年 57 巻 2 号 p. 257-260
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    第四胃左方変位, 第四胃右方変位, 第四胃捻転および第四胃食滞 (迷走神経性消化障害) の合計368頭の第四胃疾患牛における脱水症の症状と血清電解質および酸-塩基平衡の関係を検討した. 第四胃左方変位牛の62%および第四胃右方変位牛の43%には脱水症の症状は認められなかった. 第四胃捻転および第四胃食滞ではそれぞれ86%および84%の牛に中等度および重度の脱水症の症状が認められた. 低クロール性アルカローシスは重度の脱水症を呈する第四胃左方変位牛にみられたが, 第四胃右方変位牛では脱水症の程度にかかわらず血清電解質と酸-塩基平衡の異常は認められなかった. 第四胃捻転では脱水症の症状の程度から酸-塩基平衡状態を推察することはできなかった. 第四胃食滞牛では明瞭な低クロール血症, 低カリウム血症および代謝性アルカローシスが脱水症の程度にかかわらず観察された.
  • 植田 祐二, 大槻 重信, 生川 憲明
    1995 年 57 巻 2 号 p. 261-265
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    フロルフェニコールの胸膜肺炎抑制効果を5~7週齢の豚でのActinobacillus pleuropneumoniae実験感染により検討した. フロルフェニコール及びチアンフェニコールを12日間飼料に添加し, 投薬開始5日後にチアンフェニコール感受性の A. pleuropneumoniae 福島株(血清型2), Shope4074株(血清型1), K17株(血清型5)あるいはチアンフェニコール耐性の8541株, 8543株(血清型2 )をそれぞれ鼻腔内に接種した. 剖検は, 接種7日後(投薬終了時)に実施した. 各株接種の感染対照群では全頭が発病し, 半数以上の豚が死亡した. 一方フロルフェニコール50 ppm投与群では, チアンフェニコール感受性株接種による臨床症状の平均スコアー及び肺病変面積率の平均が感染対照群に比較して有意に低く(P&0.05),全頭生存した. また,チアンフェニコール耐性株接種においても, フロルフェニコール50 ppm投与群の臨床症状の平均スコアー及び肺病変面積率の平均は, 感染対照群及びチアンフェニコール200ppm投与群に比較して有意に低く(P<0.05), 全頭耐過した. フロルフェニコールは, A. pleuropneumoniae の1型, 2型, 5型菌及びチアンフェニコール耐性菌感染豚に対して, 顕著な発病抑制効果を発揮することが確認された.
  • 岡本 宗裕, 上田 裕美, 林 正信, 奥 祐三郎, 黒澤 努, 神谷 正男
    1995 年 57 巻 2 号 p. 267-272
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ネコ条虫よりDNAを抽出し, ジゴキシゲニン標識オリゴヌクレオチドプローブ(CAC)5を用いたサザンハイブリダイゼーションを行ったところ, 明瞭なDNAフィンガープリント像が得られた. このDNAフィンガープリント像は, 宿主のものとは全く異なっており, また, 成虫と嚢虫の間でも差が見られなかったことから, ネコ条虫個体特異的と考えられた. 分離された地域, 宿主の異なるネコ条虫4分離継代株についてDNAフインガープリント法により分離株間の遺伝的変異を調べた. その結果, これまで感染性, 形態, 嚢虫の蛋白組成等では区別できなかった3分離株を含め, 4分離株すべてから分離株特異的なDNAフインガープリント像が得られ, 互いに明瞭に区別することができた. (CAC)5は, 条虫の遺伝的変異を調べる際に非常に有用なプローブであると考えられた. 32P標識とジゴキシゲニン標識のプローブを使用した場合のフィンガープリント像を比較すると, ジゴキシゲニン標識では, バンドの強度が平均化する傾向が見られ,32P標識の場合に較べより多くの明瞭なバンドを検出することができた. 条虫の遺伝的変異を検出するにはジゴキシゲニン標識プローブがより有効と考えられた.
  • 森田 晴夫
    1995 年 57 巻 2 号 p. 273-277
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    接触型のスペキュラーマイクロスコープを用いて, 全身麻酔下で雄19匹および雌19匹の日本白色種ウサギ(年齢:6~15ヵ月)の角膜内皮細胞を観察した. この方法で角膜内皮を観察すると, 大きさの均一な五ないし六角形の内皮細胞が規則正しく配列しているのがみられた. また, 一部の動物には大型の内皮細胞が所々にみられた. これらの大型細胞の輪郭はなめらかで, その大きさは普通サイズの細胞の3ないし15倍程であった. また, 大型細胞は互いに孤立して存在し, 観察したすべての年齢の雌雄に, 片側あるいは両側性にみられた. しかし, 大型の内皮細胞の出現状況と角膜の外傷あるいは前房内の炎症との関連性は認められなかった. 内皮細胞の密度(cells/mm2)および大型の内皮細胞の出現頻度には, 左右の差, 性差は明らかでなかった. しかし, 加齢によると考えられる内皮細胞密度の減少傾向が12ヵ月齢以上のウサギにみられた.
  • 久保田 修一, 杉本 千尋, 小沼 操
    1995 年 57 巻 2 号 p. 279-282
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Theileria sergentiピロプラズマ主要表面蛋白質(p33/32)遺伝子には複数のalleleの存在が報告されている. 今回, 日本国内に存在する代表的な2種類の型, すなわち池田型(I-type)と千歳型(C-type)の同遺伝子をそれぞれ特異的に増幅しうるプライマーを合成し, PCR法による原虫集団解析を可能とした. この方法を用い実験継代株5株と日本国内各地より分離された野外株15株を解析した結果, 13株からI-typeとC-typeの両者が検出され, 残り7株ではI-typeまたはC-typeのどちらか一方のみが検出された. この結果から, 国内の大多数(11/15)の T.sergenti感染牛においては, 2つの異なったalleleを持つ原虫集団が混在していることが明らかとなった.
  • 大谷 新太郎, 奥田 潔
    1995 年 57 巻 2 号 p. 283-286
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    子宮内膜は胚の接着, および着床に重要な役割を果たしている. そこで, リピートブリーダー牛における子宮内膜の形態学的変化を組織学的に検討した. リピートブリーダー牛5例, 正常経産牛5例および正常未経産牛5例の発情後1日目(発情発見日=0日目)および8日目の子宮内膜をバイオプシーにより採取した. 発情後1日目において, 腺細胞の核分裂像は, 正常牛で認められたが, リピートブリーダー牛では認められなかった. 逆に, 子宮腺内分泌物および肝細胞の核上空胞は, 正常牛では少ないかあるいは認められなかったのに対し, リピートブリーダー牛では観察された. 一方, 間質では両者で浮腫が認められ, 両者間に相違点は認められなかった. 発情後8日目では, 両者ともに子宮腺内分泌物が多く認められた. 一方, 間質の核分裂像および偽脱落膜反応像は, 正常牛で多く認められたが, リピートブリーダー牛ではわずかしか認められなかった, リピートブリーダー牛では, 発情期における子宮腺の組織像および黄体開花期における間質細胞の組織像が, 正常牛で観察される組織像と一致しないことから, これらの部位の周期的変化は異なる調節系によることが推察される. これらの結果から, 子宮腺と間質細胞が発情後の日数経過にともなって逐日的に変化しない場合に受胎しない可能性が示された.
  • 木下 現, 鷲巣 誠, 村田 典久, 近藤 元紀, 松倉 克仁, 鷲巣 月美, 本好 茂一
    1995 年 57 巻 2 号 p. 287-291
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ドパミンおよびドブタミンの肝酸素需給動態に及ほす影響を12頭の雑種成犬を用いて検討した. 肝臓への酸素供給量はドパミン3および7μg/kg/minならびにドブタミン5μg/kg/minの投与による変化は認められなかった. 一方, ドパミン15μg/kg/minならびにドブタミン10および15μg/kg/minの投与時に肝酸素供給量は著明に増加した. 全身酸素供給量中の肝酸素供給量の分布率はドパミン15μg/kg/min投与時にのみ有意に増加した. 肝臓の酸素利用率はドパミン, ドブタミンそれぞれ15μg/kg/min投与時に有意な低下が認められた. この現象は肝酸素消費量に変化が認められなかったことから肝酸素供給量の増加に起因したものであった. 以上の結果からドパミン15μg/kg/min, ドブタミン10および15μg/kg/minの投与量は肝臓への酸素供給量を増加させる目的での使用に適していることが判明した. しかしながら肝臓の代識能はドパミンおよびドブタミンの投与時に亢進しないことが, 肝酸素消費量に変化がなかった事から判明した.
  • 木下 現, 鷲巣 誠, 村田 典久, 近藤 元紀, 松倉 克仁, 鷲巣 月美, 本好 茂一
    1995 年 57 巻 2 号 p. 293-297
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ドパミンおよびドブタミンの肝臓循環に及ほす選択的影響を12頭の雑種成犬を用いて検討した. ドパミンの投与によって門脈血流量は用量依存性に増加し, 肝動脈血流量は用量依存性に減少した. 特にドパミン3μg/kg/min投与時には, 腸間膜領域の血管拡張が起こり心拍出量中の門脈血流量の分布率が増加した. ドブタミン5および10μg/kg/min投与時には門脈血流量および肝動脈血流量のいずれも有意に増加した. しかしながら, ドブタミン15μg/kg/min投与時には肝動脈血流量は著明に低下した. 総肝血流量はドパミンおよびドブタミン投与時に著明に増加した. しかし, 心拍出量中の総肝血流量の分布率の増加は認められなかった. 肝内門脈系の有効灌流圧はドパミンおよびドブタミンの投与によって変化しなかった. 本実験結果からドパミンおよびドブタミンの投与によって肝血流量は選択的に増加しないことが判明した.
  • 横溝 祐一, 森 康行, 下地 善弘, 清水 眞也, 泉対 博, 児玉 道, 五十嵐 英夫
    1995 年 57 巻 2 号 p. 299-305
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウシ末梢血単核球(PBMC)に対するブドウ球菌性エンテロトキシンA(SEA), B(SEB), C(SEC)及び毒素性ショック症候群毒素(TSST-1)の多クローン性T細胞増殖及びサイトカイン産生によるスーパー抗原活性を調べた. これらの4毒素は子牛のPBMCに対し試験管内で 1pg~1μg/mlの広い濃度域で強い増殖反応を誘起した. これらの毒素により活性化した幼弱細胞はCD4+T細胞及びCD8+T細胞から成っていたが, このT細胞増殖は単球の存在を必要とした. 単球を抗主要組織適合性遺伝子座クラスII抗原に対する単クローン性抗体で処理すると本毒素によるT細胞増殖反応を顕著に抑制したが, パラホルムアルデヒド処理では本アクセサリー機能を失活させなかった. SEA, SEB, SEC及びTSST-1は濃度依存性に試験管内でインターロイキン2, インターフェロンγ及び腫瘍壊死因子αの産生を誘起した. 以上の成績からSEA, SEB, SEC及びTSST-1はヒトやマウスの系と同様にスーパー抗原としてウシのT細胞を刺激することが示された. 黄色ブドウ球菌感染によるウシ乳房炎の免疫病理発生におけるこれらの毒素の役割について考察した.
  • 平井 神明, 古山 博之, 粟屋 昭, 小沼 操
    1995 年 57 巻 2 号 p. 307-310
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウシ色疫不全ウイルス(BIV)感染牛および感染ウサギに対する血清胸腺因子(FTS)投与効果を調べた. これまでに我々は, BIV感染牛においてマクロファージの機能の低下と異種蛋白に対する体液性免疫反応の遅延の認められることを報告している. 抗体産生の遅延のみられたBIV 感染牛においてFTS投与後, 抗体産生の遅延がみられなくなった. BIV感染牛ではマクロファージのケミルミネッセンス反応の有意な低下(p&0.05)がみられたが, FTS投与により非感染対照牛との差はみられなくなった. またBIV感染ウサギの異種蛋白に対する抗体産生能は非感染対照ウサギに比べて有意に低下(p&0.025)していたが, FTS投与により非感染対照群との差は減少し, 抗体産生能の回復が認められた.
  • Rubio M. D., Muhoz A., Santisteban R., Tovar P, Castejon F.M.
    1995 年 57 巻 2 号 p. 311-315
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    5歳になる11頭のアンダルシアンと9頭のアラブを用いて, 運動を付加した場合における血液性状の変化を調べた. 今回の運動プログラムは, 運動強度を4段階にわたって漸次増加させた (15,20,25,30km/hr). 運動の各段階の持続時間は5分間であった. 血液採取は, 運動開始前の休息期, 各運動段階の終了直後, および運動終了後10分ならびに30分経過した回復期に行い, 計7回実施した. 分析した血液成分は, 赤血球数, ヘマトクリット値, ヘモグロビン値, 容積指数 (MCV, MCH,ならびにMHCH), および総血漿タンパク値であった. 運動により生じた変化および2品種間の差を調べた結果, アラブでは, 運動開始前の休息期, 各運動段階終了直後, および運動終了後10分経過した回復期に, 総血漿タンパク値がアンダルシアンよりも高かった. その他の血液成分は, 2品種間で類似の値をとり, 有意差は存在しなかった.
  • 平子 誠, 加茂前 秀夫, 百目鬼 郁男
    1995 年 57 巻 2 号 p. 317-321
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    妊馬血清性性腺刺激ホルモン(PMSG)は卵胞刺激作用を持つ持続型黄体形成ホルモンである. そこで, 低用量のPMSGが牛に対して過剰な卵胞発育作用を及ぼすことなく有効な黄体刺激効果を示すかどうかを検討した. 11頭の黒毛和種未経産牛を無作為に2群に分け, PMSG 500IUを1群には黄体形成促進を目的として排卵日(N=5), 他の1群には黄体機能増進を目的として排卵後7日(N=6)に投与した. 供試牛のうち4頭には前周期の排卵日と排卵後7日に生理食塩液を投与し対照とした. 処置時の発情周期中は全頭について一日置きに直腸検査を行い, 連日性ステロイド測定用の採血を行った. その結果, PMSG投与時の発情周期の日数は前周期と比較して排卵日投与群では短縮したのに対し, 7日投与群では延長した(P<0.05). また, 血中プロジェステロン濃度は対照と比べて排卵日投与群では差異が認められなかったのに対し, 7日投与群では有意に増加し, 長期間高値が維持された(P<0.05). 両群ともエストラジオール-17β濃度は有意に増加したものの(P<0.05), 過剰な卵胞の発育は認められなかった. 結論として, 排卵後7日のPMSG500 IUの投与により, 過剰な卵胞の発育を誘起することなく黄体機能を増進することができた. 一方, 排卵日のPMSG投与には明瞭な黄体賦活作用が認められなかった.
  • 木下 現, 鷲巣 誠, 近藤 元紀, 松倉 克仁, 鷲巣 月美, 本好 茂一
    1995 年 57 巻 2 号 p. 323-326
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    摂食前後における肝臓の血行動態および酸素需給動態を独自の慢性肝臓循環評価モデルを用いて検討した. 摂食後, 門脈圧は生理的範囲内で有意に増加した. 門脈圧と肝静脈圧の変化は摂食前後で有意に相関し, その結果, 両パラメーターの差から算出した肝内門脈系の有効灌流圧は摂食前後で変化が認められなかった. 肝酸素利用率の指標となる肝静脈血酸素含有量は摂食前後で有意な変化は認められなかった. このことから摂食後の肝酸素需給関係は概ね均衡して維持されていたことが判明した.
  • 高瀬 公三, 馬場 守ジルベルト, 西 理佳子, 藤川 英雄, 山田 進二
    1995 年 57 巻 2 号 p. 327-330
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    発育鶏卵漿尿膜(CAM)及び鶏腎培養細胞(CK)由来の鶏アデノウイルス(FAV)寒天ゲル内沈降(AGP)抗原の反応性を実験感染鶏血清及び野外鶏血清を用いて比較し, 次の成績を得た. 実験感染鶏血清の両由来抗原による陽性率はFAVの株(血清型)の違いによって異なり, ヘテロ抗原での陽性率はホモ抗原でのそれに比べて低く, またヘテロ抗原での抗体価もホモ抗原の抗体価に比べて低い傾向を示した. さらに, CAM由来抗原を用いた方がCK由来抗原の場合よりも高い陽性率, 又は高い抗体価の得られる場合が多かった. CAM由来抗原を用いて野外鶏血清を検査したところ, 用いる抗原(血清型)によって抗体陽性率は異なったが, 複数の抗原を混合することにより, 陽性率は高まった. このことから, FAVの血清疫学調査にはCAM由来の複数の血清型のAGP抗原を用いて行うことが望ましいと考えられた.
  • 松井 基純, 高橋 芳幸, 菱沼 貢, 金川 弘司
    1995 年 57 巻 2 号 p. 331-336
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウシ体外受精卵の発育に及ぼすインスリンの影響を調べるために, 1 mg/m/のポリビニルアルコールを加えた修正合成卵管液(mSOF)を用いて培養を行った. 体外受精卵の桑実胚への発育率は, インスリン (5μg/ml) 単独の添加による影響を受けなかった. インスリンは, アミノ酸と共に添加した場合, 桑実胚への発育において, 協同的な発育促進効果を示した. アミノ酸を含むmSOFへのインスリン(1-100μg/ml)の添加は, 体外受精卵の肝盤胞への発育率を改善しなかったが, 桑実胚期以降に1あるいは10μg/mlのインスリンと1mMのグルコースを培養液に添加した場合, 得られた胚盤胞の細胞数は有意に増加した. 以上の結果から, インスリンは, アミノ酸やグルコースの存在下でウシ初期肝の発育に促進的な効果をもたらし, そのような効果は, 胚へのアミノ酸やグルコースの取り込みの促進によるものと推察された.
  • 長谷川 貴史
    1995 年 57 巻 2 号 p. 337-338
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1.6歳, 雄のゴールデンハムスターが背部の脱毛を主訴に来院した. 一般状態はやや低下し, 脱毛部に中程度の痒みを認めた. 皮膚掻爬試験の結果, 毛包虫が確認された. 1%硫化セレンのシャンプーと0.013%アミトラズの局所塗布を用いた併用療法を行ったが, 本症を完治させることはできなかった. 0.017%クマホスの瀕回使用は毛色虫症による脱毛を根治させるのに有効であった. なお, 本治療による副作用はみられなかった.
  • 岩田 聖, 山本 慎二, 三上 真一, 山川 誠己, 広内 康彦, 小林 和雄, 榎本 眞
    1995 年 57 巻 2 号 p. 339-340
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ラットに自然発生する骨軟骨腫はまれで, 報告は少ない. 毒性試験の無処置群のラット(SD系, 雄, 58週齢) に多発性骨軟骨腫が観察された. 右上腕骨から肩甲骨におよぶクルミ大腫瘤と助骨肋軟骨結合部の大豆大腫瘤は同じ組織像で, 外層は硝子軟骨, 中心部は海綿骨と多量の脂肪髄よりなり, 表面の骨膜は親骨の骨膜と連続し, また, 親骨の骨皮質や骨髄も腫蕩と連絡していた. ラットの骨軟骨腫は進行性の肥大を伴う真の腫蕩と考えられた.
  • 阿閉 泰郎, 山本 欣郎, 鈴木 義孝
    1995 年 57 巻 2 号 p. 341-342
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鳩の網膜をニューロテンシン抗血清を用いて免疫組織化学的に調べた. ニューロテンシン陽性反応は網膜の視神経細胞とアマクリン細胞に認められた. 視神経細胞は小型細胞と大型細胞が識別でき, 両者とも弱~中等度の陽性反応が見られた. とくに大型神経細胞では, 陽性反応産物は細胞体全体に観察されるに加えて, ニッスル顆粒に一致した中等度の陽性反応が目立っていた. 視神経細胞でのニューロテンシンの存在は脊椎動物の網膜を通じて最初である.
  • 中久喜 正一
    1995 年 57 巻 2 号 p. 343-346
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ニホンアナグマ (Meles meles anakuma) の肺の気管支系にセルロイドのアセトン溶液を注入して鋳型標本を作製し, 気管支分岐と肺葉の関係について調べた. ニホンアナグマの肺は左右の気管支から背側, 外側, 腹側および内側の4気管支系が起こる. これらを「哺乳類の肺の気管支分岐の基本型」(Nakakuki,1975) に基づいて検討すると, ニホンアナグマの右肺は前葉, 中葉,後葉および副葉から成り, 左肺は中葉と後葉から成る.
  • 宮本 忠, 田浦 保穂, 宇根 智, 吉武 信, 中間 實徳, 渡辺 誠治
    1995 年 57 巻 2 号 p. 347-349
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬における多価ワクチン接種の免疫学的反応を調べた. リンパ球数は, 幼若犬群, 成大群ともに7日目に減少する傾向が認められた. リンパ球幼若化反応は, 幼若犬群ではワクチン接種後7, 21日に有意な上昇が認められたが, 成犬群では有意な変化は認められなかった. また, フィトヘマグルチニン(PHA)と犬パルボウイルス(CPV)ワクチンを用いた遅延型過敏反応(DTH)を初回ワクチン接種後0, 3, 8週目に行ったところ, PHAとCPVワクチンを接種した部位は強いDTH反応を呈した. 特にCPVワクチンを用いたDTH反応はワクチン接種後に有意に上昇し, これは少なくとも2ヵ月間持続した. これらから, ワクチン接種は免疫抑制というよりは免疫調節的に働くことが考えられ, PHAとCPVワクチンを用いたDTHは in vivo においてそれぞれ非特異的, 特異的免疫能の測定として有用であると考えられた.
  • 三澤 尚明, 熊元 一徳, 入田 重幸, 恒吉 光明
    1995 年 57 巻 2 号 p. 351-353
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    枝肉の細菌汚染の調査を簡易迅速に行うため, エンドトキシンを検出するリムラス(L)テストが応用可能か検討した. 豚枝肉のふきとり液から, 一般細菌数, 大腸菌群数, ブドウ球菌数を測定し, Lテストとの相関性を調べた. Lテストと大腸菌群数には高い相関性が認められたが, その他の菌数との相関性は低かった. Lテストは, 採材から2時間以内に判定でき, 糞便汚染の機会の多い枝肉の細菌汚染を評価する際, 大腸菌群の測定に代わる手法として応用可能と思われた.
  • 伊藤 章, 今井 壮一, 萬田 正治, 扇元 敬司
    1995 年 57 巻 2 号 p. 355-357
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鹿児島県産トカラ山羊15頭のルーメン内の繊毛虫を調査した結果, 5属11種3型が同定され, 全てのトカラ山羊は Entodinium simplex, E. nanellum, E. rectangulatumを保有していた. 大型の0phryoscolecids は Polyplastron multivesiculatum と Metadinium affine の2種のみであった. トカラ山羊は長期間小島に隔離飼養されてきたことを考慮すると, かつて南日本に分布していた在来山羊はこれらの大型 Ophryoscolecids の保有を特徴とするA型繊毛虫構成を保有していたかもしれない. 繊毛虫密度は平均43.9×104/ml, 宿主あたりの種類は平均8.3,多様性指数は平均1.412であった.
  • 宮田 裕人, 阿部 光雄, 竹花 一成, 岩佐 憲二, 平賀 武夫, 山田 治, 平塚 貴浩, Masty Jerry, Yamaguchi ...
    1995 年 57 巻 2 号 p. 359-361
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウシ腎小体足細胞を走査電子顕微鏡により観察し, ウシの足細胞は, 半球状もしくは板状の細胞体から太い一次突起を出すこと, さらに一次突起は, 二次または三次突起へと分岐し, これら突起が隣接する細胞の突起と密接に佼み合い糸球体毛細血管を被うため, 小足は外表面からほとんど観察出来ないことを明らかにした. しかし, 割断像および透過電子顕微鏡による観察では,各突起の下に多数の小足が認められた.
  • 植田 祐二, 末永 格
    1995 年 57 巻 2 号 p. 363-364
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    日本において, 1989から1993年の間に豚胸膜肺炎病巣部から分離された Actinobacillus pleuropneumoniae 90株のフロルフェニコール (チアンフエニコール誘導体) 及びその他の薬剤に対する感受性について検討した. フロルフェニコールの最小発育阻止濃度は0.39μg/mZをピークとする0.2~1.56μg/mlの範囲にあり, 本薬剤はチアンフェニコール耐性株に対しても高い抗菌活性を示した.
  • 宮本 篤, 神田 純子, 西尾 晃
    1995 年 57 巻 2 号 p. 365-366
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    経壁神経刺激は, ブタおよびウシ脳底動脈を弛緩させ, その弛緩はテトロドトキシンおよびL-二トロアルギニンにより消失した. しかし, ウマ脳底動脈では経壁神経刺激により収縮し, その収縮はテトロトドキシンおよびグアネチジンにより消失したが, L-二トロアルギニンでは有意な影響を受けなかった. これらの結果は, ウマ脳底動脈の経壁神経刺激による収縮がノルエピネフリンの遊離を介している可能性を示唆している.
  • 二宮 博義, 猪股 智夫, 若尾 義人
    1995 年 57 巻 2 号 p. 367-371
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬糸状虫症で病理組織学的に肝静脈系に cavernous transformationが認められたイヌ肝内門脈-静脈の血管鋳型標本を作成し, 走査型電子顕微鏡で観察した. 中心静脈および小葉-「静脈は拡張し数珠状であった. 門脈では, 終末枝が洞様毛細血管に移行する部位でその口径を急激に減じていた. 犬糸状虫症の肝病変の一つである cavernous transformationは, 血管の増生や側副血行路の形成によるものではなく, 肝静脈の末端枝が数珠状に拡張したものであることが示唆された.
  • 佐藤 繁, 鈴木 利行, 岡田 啓司
    1995 年 57 巻 2 号 p. 373-375
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    産褥性子宮炎牛および乳房炎牛における末梢血液リンパ球幼若化能(I上)を測定した. 産褥性子宮炎牛および乳房炎牛のLBは, 健康牛に比べ有意な低値を示した. LBの抑制は産褥性子宮炎牛では血清アンモニア濃度, 乳房炎牛では血清α1酸性糖タンパク濃度と関連があり, また, 乳房炎牛ではLBと血清ビタミンE濃度の間に関連が認められた. 産褥性子宮炎牛や乳房炎牛はLBの抑制と密接に関連していることが明らかとなった.
  • 南 三郎, 岡本 芳晴, 松橋 晧, 指輪 仁之, 斎本 博之, 重政 好弘, 谷川 孝彦, 鈴木 孝夫, 谷岡 真一郎, 田中 吉紀
    1995 年 57 巻 2 号 p. 377-378
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬の皮下にポリN-アセチル-D-グルコサミン(キチン)を含浸させたポリエステル製不織布(NWF) (キチン/NWF)およびNWFを埋設し, その周囲に貯留していた滲出液中のプロスタグランディンE2 (PGE2)濃度をラジオイムノアッセイ法を用いて測定した. キチン/NWFにより誘導された滲出液中のPGE2濃度はNWFにより誘導された滲出液中のPGE2濃度の約5倍だった(P<0.05). 一方, NWFにより誘導された滲出液中のPGE2濃度は犬血清中のPGE2濃度と大差がみられなかった.
  • 臼井 玲子, 廣田 順子, 小山田 隆, 池本 卯典
    1995 年 57 巻 2 号 p. 379-380
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    イヌのCシステムは, Clerodendron trchotomum (和名 : クサギ) の種子抽出液により, 凝集するイヌの赤血球をC型, 凝集されない赤血球をc型に分類する赤血球型である. 今回は, 栃木県宇都宮市周辺で飼育されているイヌ(純粋種29品種224頭, 雑種153頭の合計377頭)について, その表現型の出現頻度および遺伝子頻度を求めた. いずれの品種もC型の出現頻度はc型より低く, C allele の最も高いものは, Yorkshire Terrier (0.202), 次いで Beagle, Shiba(0.091), Maltese(0.085), Shi Tzu (0.051), Shetland Sheepdog(0.036)の順であった. Lectinを用いた赤血球型判定は判定用抗体の入手困難な現状では, その溢路を克服するひとつの手段であり, 遺伝標識としてのみならず臨床領域における輸血適合血の選択にも有効と思う.
  • 臼井 玲子, 廣田 順子, 小山田 隆, 池本 卯典
    1995 年 57 巻 2 号 p. 381-383
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    埼玉県人間市周辺で飼育されている日本産雑種ネコの血液系遺伝子標識5種について, その表現型出現頻度および遺伝子頻度を調査した. 赤血球型としてのCaシステムの (検査数200頭) 遺伝子頻度は, Caは0.051, caは0.949で高頻度を示した. 血清蛋白多型としてのTFシステムは(検査数144頭), TFFは0.472, TFSは0.581, 変異型TFS'は0.010であった. GCシステムは(検査数170頭), GCFは0.285, GCSは0.715で高頻度を示した. 赤血球酵素多型としてのPGDシステムは(検査数100頭), PGDAは0.945と高頻度で, PGDBは0.055であった. ESDシステムは(検査数90頭), ESD1は0.544, ESD2は0.456であった. これらは, いずれもHardy-Weinbergの法則に適合していた. Caシステムは適合輸血の, 血清や酵素の標識は遺伝学上の調査標識として有用と考える.
  • 岡野 昇三, 多川 政弘, 浦川 紀元
    1995 年 57 巻 2 号 p. 385-387
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    PAF桔抗新薬TCV-309のエンドトキシンショックに対する治療効果を血行動態を中心に検討した. 供試動物は, 全身麻酔, 人工呼吸下のビーグル犬10頭を使用した. イヌにエンドトキシン(3 mg/kg)を静脈内に投与し, 投与終了直後に治療群(n=5)にはTCV-309 (1 mg/kg) , 対照群(n=5)には生理食塩水をそれぞれ静脈内に投与した. エンドトキシン投与後360分まで経時的に心拍数, 血圧, 心拍出量, 血管抵抗および尿量を測定した. その結果, 対照群に認められた大動脈圧, 心拍出量および尿量の低下が治療群においてTCV-309投与直後より有意に改善された. 以上のことより,エンドトキシンショック時の循環動態改善薬としてTCV-309の有効性が示唆された.
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