鹿児島県産トカラ山羊15頭のルーメン内の繊毛虫を調査した結果, 5属11種3型が同定され, 全てのトカラ山羊は Entodinium simplex, E. nanellum, E. rectangulatumを保有していた. 大型の0phryoscolecids は Polyplastron multivesiculatum と Metadinium affine の2種のみであった. トカラ山羊は長期間小島に隔離飼養されてきたことを考慮すると, かつて南日本に分布していた在来山羊はこれらの大型 Ophryoscolecids の保有を特徴とするA型繊毛虫構成を保有していたかもしれない. 繊毛虫密度は平均43.9×104/ml, 宿主あたりの種類は平均8.3,多様性指数は平均1.412であった.