抄録
脊髄ネコを用いて後肢皮膚感覚入力の尾筋運動ニューロンから記録される脊髄反射に対する効果について研究を行った. また仙髄における部分的脊髄切除法を用いてその神経経路通過部位についても検討を行った. 単シナプス性反射に対して同側の皮膚神経刺激の効果は条件-テスト刺激インターバルが短い場合 (5-20 ms) には促通効果がみられ, 長インターバル(30-200 ms)では抑制効果がみられた. この促通効果は同側の部分的脊髄切除によって見られなくなった. 多シナプス性反射に対して皮膚神経刺激は抑制効果を示したがこの効果は同側の脊髄切除によってほとんど変化を受けず, 反対側の切除によって抑制された.