Journal of Veterinary Medical Science
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マウスのHst-1遺伝子に起因する雄性雑種不妊の組織学的解析
加来 義浩昆 泰寛高木 信夫山下 匡林 正信渡辺 智正
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1995 年 57 巻 5 号 p. 973-975

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抄録

雑種不妊は生物種の分化と維持に重要な役割を演じていると考えられている. 本研究ではマウスの Hst-1遺伝子に起因する雑種不妊の機序を解明する第1段階として, C57BL/6 (Mus musculus domesticus) と NJL(M. m. musculus) マウスの雄性雑種不妊について組織学的に解析した. 雑種不妊マウスの精巣では多数の精祖細胞ならびに第1精母細胞が観察された. 第2精母細胞ならびに精子細胞は認められなかった. 精細管腔の一部において精母細胞の変性像が観察された. 雑種不妊マウス精巣の染色体標本では精祖細胞/細糸期の細胞が増加しており, 合糸期/厚糸期の細胞は顕著に減少していた. 標本中に精子細胞ならびに精子は認められなかった. 第1精母細胞に起因する多数の変性細胞が観察された. これらの結果は精子形成が細糸期で阻害され, きわめて少数の細胞のみ第1減数分裂に進行するものの厚糸期には死滅することを示す.

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