1995 年 57 巻 6 号 p. 1085-1087
CCDA (charcoal-cefazolin-sodium deoxycholate agar) 培地は, 血液無添加のカンピロバクターの選択分離培地として知られている. この培地と, Butzler培地の2種類の培地の, カンピロバクターに対する選択分離能力を比較するため, 家畜盲腸内容物 (牛176頭, 豚103頭)からの本菌の分離を行った. 牛において, 直接培養では, Butzler培地で16.5%, CCDA培地で31.3%から本菌が分離され, CCDA培地の方が約2倍の高い検出率を示した. 一方豚においても同様にCCDA培地の方がより高い検出率を示した. また, このうち牛107頭分については, Preston, CEM, Bu 10の3種類の増菌培地を用いた増菌菌培養も併用して行ったところ, いずれの場合も, CCDA培地を用いた方がより高い検出率を示した (P<0.01). 以上のことから, このCCDA培地は血液を加えずに容易に使用でき, しかも本調査において,カンピロバクターに対する選択分離能力もButzler培地より優れていることが明らかになった.