1996 年 58 巻 2 号 p. 103-108
鹿児島大学入来牧場のトカラウマ20頭の糞便内に排泄される腸管内繊毛虫構成を調査した. Strelkowの記載をもとに, 11属18種が同定された. Buetschliidae科に属する1新属1新種がみられ, Wolskana tokarensis n. gen., n. sp. として記載した. 繊毛虫の平均密度は13.8×103/mlであった. また雄ウマ(n=5), 雌ウマ(n=11), 仔ウマ(n=4)の繊毛虫平均密度は, それぞれ, 3.9, 16.1, 43.3×103/mlであった. 雄ウマの繊毛虫密度は有意に最も低く, 仔ウマでは最も高かった. ブリルアンの多様性指数は平均1.554であった. 雄ウマの多様性指数1.470は雌ウマの1.539および仔ウマの1.698に比較して有意に低いものであった. 1頭あたりの保有種数は平均11.7であった.