Journal of Veterinary Medical Science
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58 巻, 2 号
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  • 三澤 尚明, 大西 貴弘, 伊藤 喜久冶, 高橋 英司
    1996 年 58 巻 2 号 p. 91-96
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    我々は, CHO細胞を用いた3種のCampylobacter jejuniのサイトトキシン(CTX)の検出法を考案した(三澤ら, 1994). 本研究ではこれらの検出法を用いて, C.jejuniBL107株の培養上清中に含まれる粗CTX画分の性状を調べた. その結果, 少なくとも3種類の性状の異なるCTXが検出された. すなわち, 牛胎児血清(FCS)添加培地を用いた測定系では, 易熱性で推定分子量50~100kDaのCTXが検出され, 新生子牛血清(NCS)添加培地を用いた測定系では, 耐熱性で推定分子量0.5~3.0kDaのCTXが検出された. 両測定系で検出されるCTX活性は, 還元剤の添加で完全に失活したが, トリプシン, リパーゼ, ノイラミニダーゼおよびβ-ガラクトシダーゼ処理では失活しなかった. いっぽう, 無血清培地を用いた検出系では, FCSやウサギ血清の添加で失活するが還元剤の添加では失活しない易熱性のCTXが検出された. FCS測定系では耐熱性CTXを検出することはできないが, この測定系にNCSを添加するとCTX活性が検出されるようになった. しかしながらウサギ血清の添加では検出されなかった. 以上の結果から, C.jejuniのCTX活性は, 検出に用いる血清に依存して発現することが判った.
  • 桑原 幹典, 犬養 尚子, 稲波 修, 三宅 陽一, 角田 修男, 牧 与志幸, 佐藤 文昭
    1996 年 58 巻 2 号 p. 97-101
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    軽種馬(サラブレッド)を日常的な運動量の差に応じて, 子馬(6ヶ月齢), 競走用馬(5歳), 繁殖用馬(6~10歳)に分類し, 血清中の脂質過酸化レベルをチオバルビツール酸反応性物質量として測定した. その結果, これらのグループ間に有意差が観測されなかった. 次に, 各種馬の抗酸化能力を調べる目的で, 血清の有するスーパーオキシド除去活性を測定した. その結果, 軽種馬では競走用馬の血清が子馬, 繁殖用馬のそれよりも高い活性を示した. 競走用馬血清の高い活性は, 脂質過酸化レベルを他のグループのそれと同程度に抑制するために作用していると思われた. HPLC分析により, 競走用馬血清の高い除去活性の要因の一つとしてアルブミン結合型ビリルビンの存在が推論された. 一方, 重種馬(雑種)血清との比較では, 軽種馬の脂質過酸化レベルは7.0±1.2nmol/ml, 重種馬のそれは2.6±0.7nmol/mlと測定され, 軽種馬の方が有意に高値を示した. また血清のスーパーオキシド除去活性の比較では軽種馬血清の方がより高い活性を示した. このことから, 軽種馬血清は重種馬血清に比べ高いスーパーオキシド除去活性を有するにも係わらず, 脂質過酸化レベルも高いという事実が明らかとなった.
  • 伊藤 章, 今井 壮一, 扇元 敬司, 中原 学
    1996 年 58 巻 2 号 p. 103-108
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鹿児島大学入来牧場のトカラウマ20頭の糞便内に排泄される腸管内繊毛虫構成を調査した. Strelkowの記載をもとに, 11属18種が同定された. Buetschliidae科に属する1新属1新種がみられ, Wolskana tokarensis n. gen., n. sp. として記載した. 繊毛虫の平均密度は13.8×103/mlであった. また雄ウマ(n=5), 雌ウマ(n=11), 仔ウマ(n=4)の繊毛虫平均密度は, それぞれ, 3.9, 16.1, 43.3×103/mlであった. 雄ウマの繊毛虫密度は有意に最も低く, 仔ウマでは最も高かった. ブリルアンの多様性指数は平均1.554であった. 雄ウマの多様性指数1.470は雌ウマの1.539および仔ウマの1.698に比較して有意に低いものであった. 1頭あたりの保有種数は平均11.7であった.
  • 小林 秀樹, 両角 徹雄, 宮本 千加子, 清水 実嗣, 山田 俊冶, 大橋 誠一, 久保 正法, 木村 久美子, 三谷 賢冶, 伊東 伸宣 ...
    1996 年 58 巻 2 号 p. 109-113
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    生殖器・呼吸器症候群(PRRS)に罹患した仔豚の肺におけるマイコプラズマ(M.hyorhinis, M.hyosynoviae, M.hyopneumoniae)の感染状況を調べた. 供試仔豚はPRRSを呈した43頭, PRRSウイルスに潜在感染していた2頭およびPRRS陰性(PRRSウイルスおよびその抗体が陰性)の対照豚10頭であった. M.hyorhinisはPRRSを呈した43頭のうち40頭から, 潜在感染豚2頭のうち1頭から, さらに対照豚と診断された10頭のうち3頭からそれぞれ分離された. 肺におけるM.hyorhinisの感染菌量はPRRS罹患豚で少なくとも105CFU/gであったのに対し, 潜在感染および対照豚ではいずれも103CFU/g以下であった. M.hyorhinisの他にはHaemophilus parasuis (22/43; 51.2%)あるいはPasteurella spp. (11/43; 25.6%)が比較的高率に分離された. 一方, 全供試豚のうち, M.hyopneumoniaeが分離されたのはわずか4頭にすぎず, M.hyosynoviaeは全く分離されなかった. さらに供試豚の肺乳剤から, PCR法によるM.hyorhinisの迅速検出を試みた. その結果, M.hyorhinisの感染菌量が105CFU/g以上の症例では確実に検出可能であった.
  • 小林 恒夫, 針ロ ニ三男, 岡本 勉, 岡田 之孝, 林 俊克, 松野 年美
    1996 年 58 巻 2 号 p. 115-120
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    6-アザウラシル(AzU)の抗コクシジウム活性の特徴について調べるため, Eimeria tenella, E.necatrix, E.acervulina, E.maximaもしくはE.brunettiを感染した白色レグホーン雄ヒナを用いたバタリー試験を実施した. AzUは幼雛用基礎飼料に混合し, 供試ビナにオーシスト感染1日前から剖検時まで自由に摂取させた. AzUは, 飼料中1,000ppm以上の濃度でE.tenellaおよびE.necatrix感染に対して優れた抗コクシジウム活性を示し, E.acervulina感染に対しても飼料中濃度4,000ppmで良好な抑制効果を示した. しかし, 飼料中4,000ppm投与によるE.maxima感染に対する抑制効果はごく軽度でありE.brunettiに対しては無効であった. さらに, AzUのリボヌクレオシド体である6-アザウリジンについても飼0料中濃度1,000ppm投与で試験したところ, E.tenellaおよびE.necatrix感染に対して, 全く無効であった. AzUに耐性を示すラインのE.tenellaを用いた実験では, AzUとウリジン類縁体であるエミマイシンリボシド(EMR)に対する交差耐性が確認できた. また, AzUのin vitroにおける活性をニワトリヒナ腎細胞(CK細胞)により培養したE.tenellaを用いて調べたところ, AzUは培地中濃度100-200ppmで第1代および第2代シゾントの発育を阻止し, 変性した原虫が観察された.
  • 小林 恒夫, 針ロ ニ三男, 岡本 勉, 岡田 之孝, 林 俊克, 松野 年美
    1996 年 58 巻 2 号 p. 121-127
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    核酸前駆物質による6-アザウラシル(AzU)の抗コクシジウム活性に対する拮抗現象について試験した. 各核酸前駆物質, オロチン酸, オロチジン, ウラシル, ウリジン, アデニンまたはアデノシンをAzUと組み合わせてAzUの有効濃度と同濃度に飼料に配合し, Eimeria tenella, E.necatrixまたは, E.acervulinaを感染した白色レグホーン雄ヒナに投与してバタリー試験方法により, 各組み合わせ処理がAzUの効果に及ぼす影響を調べた. また, ニワトリヒナ腎(CK)細胞で培養したE.tenellaを用いてin vitroにおける同様の拮抗現象をin vitroのそれと対比して試験した. オロチン酸およびウリジンは, AzUのE.tenella感染に対する活性を用量相関的に抑制した. ウラシルおよびオロチジンは同様の影響を示した. アデニン, アデノシンは, AzUに対して何らの拮抗性も示さなかった. AzUのE.necatrixに対する活性に対してオロチン酸およびウリジンは同様の傾向を示したが, その影響は著明ではなかった. E.acervulinaに対するAzUの活性は, ウリジンもしくはオロチン酸の同時投与により減少した. AzUはCK細胞で培養したシゾゴニー期のE.tenallaの発育を阻止し, この活性はウリジンのみにより低下し, オロチン酸およびオロチジンでは減少しなかった. 数種のピリミジン核酸前駆物質がE.tenella, E.necatrixおよびE.acervulinaに対するAzUの抗コクシジウム活性に対し拮抗的に作用したことは, AzUの抗コクシジウム作用がそれらの原虫のピリミジンヌレオチド合成の代謝阻害によることを示唆している.
  • 松野 年美, 小林 恒夫, 針ロ ニ三男, 岡本 勉, 岡田 之孝, 林 俊克
    1996 年 58 巻 2 号 p. 129-133
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ジクラズリルの抗コクシジウム活性の特徴を一連のバタリー試験により調べた. ジクラズリルは, 飼料中0.1ppm以上の濃度でEimeria tenella, E.necatrixまたは, E.acervulina感染ヒナに対して優れた抗コクシジウム効果を示した. ジクラズリルをウラシル, ウリジン, オロチン酸またはオロチジンなどの核酸前駆物質と組み合わせて飼料に混合し, 上記の各コクシジウム感染ヒナに投与した場合, ジクラズリルの抗コクシジウム効果はなんら減少することはなかった. 一方, ジクラズリルをuridine 5'-diphosphoglucose(UDPG)もしくはそのN-acetyle amine(UDPGNAC)と組み合わせてE.tenella感染ヒナに投与すると, 血便を伴う重度の盲腸病変が観察された. しかし, ヒナの増体量の維持ならびにオーシスト産生阻止は, それらの組み合わせ投与によっても損なわれなかった. すなわち, 拮抗現象は部分的であった. ジクラズリルと6-アザウラシル(AzU)に対するE.tenellaにおける交差耐性の可能性を, 人工的にジクラズリルまたはAzUに対する抵抗性を獲得させた2つの株を用いて調べた. その結果, AzUとジクラズリルに対する交差耐性は観察されず, それら両化合物の作用機序が全く異なることが示唆された.
  • 田浦 保穂, 佐々木 伸雄, 西村 亮平, 竹内 啓, 臼井 和哉
    1996 年 58 巻 2 号 p. 135-139
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    黒毛和種牛の関節軟骨病変の病因を探る目的で, 潰瘍部, 肉眼的正常部, 病変移行部, 滑膜の4部位の病理組織学的検査を行った. その結果, (1)潰瘍部では関節軟骨の変性と破壊, およびそれらに対する骨髄性結合組織による修復像が認められ, (2)正常部でも軟骨表面の亀裂や軟骨下骨組織の骨梁配列の変化が存在し, (3)病変移行部では軟骨下組織および正常軟骨からの修復像がみられた. (4)しかし滑膜には異常所見は認められず, (5)上記の所見は非炎症性変化であった. 以上のことから本疾患は, 骨軟骨症から骨関節症への移行早期であると推測された.
  • 川手 憲俊, 稲葉 俊夫, 森 純一
    1996 年 58 巻 2 号 p. 141-144
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    黄体後期の牛にACTH3mgを連日14日間筋肉内に投与して卵胞嚢腫を誘起した. ACTH投与開始後, 血中コルチゾール濃度は有意に上昇した. ACTH投与による卵胞嚢腫の形成過程においては, 血中プロジェステロン濃度はACTHを処置する以前の排卵直前のそれに比べて有意に高く, 一方, 血中エストラジオールー17β濃度は有意に低い値を示した. ACTH処置期間中, 血中LHおよびFSH濃度はともに低値で推移し, 排卵前の両ホルモンのサージはいずれも観察されなかった. これら両ホルモン放出の抑制にはコルチゾールおよびプロジェステロンの分泌過剰, およびエストロジェンの分泌不足が関与しているものと思われた.
  • 野村 紘一
    1996 年 58 巻 2 号 p. 145-149
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬の脱落膜腫について, 刺激の違いによる組織反応の特徴を明らかにするために, 今回は刺激源としてブイヨンあるいはブイヨンとバリウムの混合液を用いた. ブイヨンは比較的長時間にわたり子宮内に停留する粘稠性の圧迫性刺激体となる. 一方, ブイヨンとバリウムの混合液は時間の経過と共に, ブイヨン中のバリウムが次第に凝縮して各種硬度のバリウム凝塊が形成され, 粘稠性のブイヨン液中に浮遊または, 沈澱した刺激体を構成する. レントゲン所見ではブイヨン中のバリウムは次第に分節状に分割され, あたかも妊娠初期の胎子のように子宮内で均等に分布, 配列する傾向が示され, 組織学的所見ではブイヨンのみを注入した場合は, 子宮内膜上皮あるいは表層部の子宮腺が子宮内腔に向けて増殖し, それらは樹枝状あるいは漁網状の構造を示した. 一方, バリウム溶液を注入した場合は, バリウム凝塊に直接する子宮内膜では全層にわたる子宮腺の嚢胞性増殖が認められたが, バリウム凝塊が内腔と直接せず, 周りをブイヨンが取り巻いている状況下では, はじめは表層部子宮腺の漁網状もしくは樹枝状増殖が見られたが, その後は次第に, それ以下の組織の嚢胞性増殖が顕著となった. その結果, 子宮内膜は海綿層, 腺被蓋層, 深子宮腺層に区分され, その組織構造は妊娠初期の胎盤と極めて類似したものであった. これらのことからブイヨン中に浮遊したバリウム凝塊は, 妊娠初期の胎盤における胎水中に浮遊する胎子に似た刺激を子宮内膜に与えるものと考えられた.
  • 野村 絋一
    1996 年 58 巻 2 号 p. 151-155
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    着床相当の非妊娠黄体期の犬子宮内膜を人工的に刺激すると子宮腺の嚢胞状増殖をともなった胎盤類似の組織塊が形成されるが, これは犬における齧歯類の脱落膜腫に相当するものと考えられる. これまでの報告では, 脱落膜腫誘発の刺激は物理的なものが主体であった. そこで本報告では, 生物学的で最も子宮に馴染みやすいと考えられる刺激源として犬子宮片を選び, 脱落膜腫を誘起した. その結果は, 自己子宮片の場合でも, 極めて高度な子宮腺の嚢胞状増殖が誘起されたが, これらは物理的な刺激によるものと異なって, 妊娠子宮に似た規則的な分化配列を示し, 子宮片は母体組織に速やかに器質化される傾向が認められた. しかし, 他犬の子宮片を挿入した場合は強い炎症をともなった子宮片の融解壊死と, 自己の子宮片を挿入した場合よりいっそう激しく, 不規則な子宮腺の嚢胞性増殖が起こった. 以上のことから着床期の犬子宮内膜は, 非自己の子宮片に対し, 極めて強い反応を惹起するだけではなく, 機能黄体存在下の自己由来の子宮片でも, 強い反応を引き起こす事がわかった.
  • 中川 由紀子, 望月 理加, 岩崎 広一郎, 大村 美麻, 藤原 公策, 森 智子, 長谷川 篤彦, 澤 邦彦
    1996 年 58 巻 2 号 p. 157-159
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    左飛節部のフレグモーネおよび跛行を示し, 潰瘍病変からpaecillomyces属真菌が分離された5歳のイヌを剖検し, 滲出性胸膜炎および肝・膵・腎などに多発性肉芽腫性炎をみとめ, 病巣内に真菌要素を確認した.
  • 和田 好洋, 近藤 博, 板倉 智敏
    1996 年 58 巻 2 号 p. 161-163
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    14~55日齢のレース鳩9羽に末梢神経変性症が発生した. 主症状は脚と翼の麻痺であり, 剖検では末梢神経の退色と腫大が認められた. 組織学的には, 末梢神経に髄鞘の膨化, 断裂, 崩壊, 脱髄とシュワン細胞の増殖, 軸索の膨化, 断裂, 萎縮, 消失がみられた. 以上の病変は, 鶏のリボフラビン欠乏症のそれに酷似していた. 検索した鳩に給与されていた飼料中のリボフラビン含量は0.9mg/kgで, 著しく欠乏していた.
  • 渡来 仁, 杉本 千尋, 小沼 操, 小林 和子, 保田 立二
    1996 年 58 巻 2 号 p. 165-168
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Theileria sergentiから中性糖脂質を精製し, 薄層クロマトグラフィー(TLC)ならびにliposome immune lysis assay(LILA)により分析した. T.sergentiの中性糖脂質は2種類の中性糖脂質(N-1およびN-2)から成り, N-1はTLC上でLacCerと, N-2はgalactosylparaglobosideと同じ移動度を示した. さらに, 特異抗体を用いたLILAによりN-1およびN-2と特異抗体との反応性を調べた結果, N-1は抗LacCer抗体により, またN-2は抗galactosylparagloboside抗体により認識された. これらの結果から, N-1はLacCer(Galβ1-4Glcβ1-1Cer)であること, またN-2はgalactosylparagloboside(Galα1-3Galβ1-4GlcNAcβ1-3Galβ1-4Glcβ1-1Cer)であることが示唆された.
  • ハスブラ , 板鼻 秀信, 内田 達也, 稲元 民夫, 中井 裕, 扇元 敬司
    1996 年 58 巻 2 号 p. 169-170
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    コクシジウム症に自然感染した1歳未満のウシに体重100kg・1日当たり5, 10, 20mlエクテシン(スノファモノメトキシン・オルメトプリム合剤)または5gのダイメトン(スルファモノメトキシン単剤)を5日間経口投与したところ, 投薬開始3日以降下痢が見られなくなり, それぞれの区で投薬開始後5, 2, 1, 3日以降糞中のオーシストが検出されなくなった. また, 治療過程において, Eimeriaの種構成の変化に対する薬剤の影響が窺われた.
  • 藤井 武, 林 隆敏, 古谷 徳次郎, 平 詔亨
    1996 年 58 巻 2 号 p. 171-172
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Setaria marshalliの寿命を知るため, 1992年11月~12月に生まれた8頭の子牛を29~230日齢の時点で剖検した. 蚊の活動時期を基に, 虫齢4~9ヵ月と推定された虫を宿す子牛4頭から検出された虫体計30匹は全て生きていた. 虫齢が7~13ヵ月と推察された虫を宿す子牛4頭から検出された35/50匹の虫体は, 腹膜にフィブリンに包囲された吸収過程と思われる死滅虫体であった. これらのことから, S.marshalliの寿命は感染後約1年であろうと推察された.
  • 周 建華, 大滝 芽久美, 犬丸 茂樹, 木谷 裕, 櫻井 通陽
    1996 年 58 巻 2 号 p. 173-175
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Stem cell factorは造血系幹細胞, 生殖細胞, メラノサイトなどの発生に必須の役割を持つサイトカインである. 可溶性ニワトリstem cell factor(chSCF)の組換えタンパク質を得る目的で, chSCFの-25番目から170番目までのアミノ酸残基をコードするcDNAを有する組換えバキュロウイルスを作製した. 組換えウイルス感染細胞培養上清中のchSCFをイオン交換クロマトグラフィーによって精製した. ついで, この精製タンパク質が, インビトロ培養されたニワトリ背根神経節からの神経線維の伸展を促進する活性を持つことを示した.
  • 宮本 忠, 八村 寿恵, 網本 昭輝
    1996 年 58 巻 2 号 p. 177-179
    発行日: 1996/02/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    8歳, 雌のマルチーズが食欲不振, 体重減少を主訴に来院した. 血液検査にて重度の貧血, 白血球数の増加と血小板数の顕著な増加が認められた. 末梢血塗抹において巨核芽球に似た芽球が散見された. 骨髄生検と病理組織学的検査により巨核芽球性白血病と診断された. 犬の巨核芽球性白血病は極めてよれで, 本症は日本における最初の報告である.
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