Journal of Veterinary Medical Science
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ビタミンAD3E剤またはビタミンAにより発症した牛ハイエナ病の骨代謝および骨端軟骨板の変化
高木 久福田 俊森 陵一小高 鐵男佐藤 れえ子内藤 善久
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1996 年 58 巻 5 号 p. 407-412

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抄録

ビタミンAD3E(V-AD3E)またはビタミンA(V-A)製剤の投与により, 後肢長骨の発育不全を示し, 牛ハイエナ病を発症した牛の骨代謝および骨端軟骨板の変化を形態学的に検索した. 骨代謝の観察は, 牛5頭の50日齢, 4および12ヵ月齢に行った. 観察に用いた牛は, 実験的にハイエナ病を発生させた3頭(生後7日齢から10日間V-AD3E剤の日量V-A300万I.U., V-D330万I.U., V-E1, 200I.U.を投与した1頭, その半量を投与した1頭, 日量V-A300万I.U.のみを投与した1頭)および非発症の日量ビタミンD3(V-D3)30万I.U.のみを投与した1頭とそれぞれの時期における対照牛1頭である. 対照牛に比較して発症牛3頭では, 50日齢の骨代謝は低回転を示し, 12ヵ月齢の骨量は低値を示した. 発症牛の大腿骨遠位および脛骨近位の骨端軟骨板は部分的に消失し, 軟骨細胞小腔の形態は扁平化し, 基質線維は細く高密度であった. V-D3投与の非発症牛1頭の骨量は年齢の増加とともに低値を示した. 以上の結果から, 牛ハイエナ病は, 子牛へのV-Aの過剰投与が軟骨細胞と骨芽細胞の分化および増殖の活性を抑制することにより発症し, 過剰なV-D3投与はV-Aのこれらの抑制作用を重篤化することが示唆された.

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