Journal of Veterinary Medical Science
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58 巻, 5 号
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  • 山田 一孝, 神保 猛, 宮原 和郎, 佐藤 基佳, 広瀬 恒夫, 加藤 博敏, 舘野 之男, 地平 博夫, 杉原 博, 古濱 和久
    1996 年 58 巻 5 号 p. 389-396
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    獣医臨床における造影MRIの有用性を検討する目的で, 脳, 肺, 骨, 卵巣および筋肉に扁平上皮癌細胞株(VX2)をそれぞれ移植した5種類のウザギ腫瘍モデルにガドジアミド注を投与し, 1.5あるいは2.0Tの超電導MRIを用いて造影MRIについて検討した. 脳腫瘍モデルおよび卵巣腫瘍モデルでは, 検出困難であった腫瘍領域が造影後には検出可能となった. 骨腫瘍モデルでは造影前に同様に低信号を示した腫瘍領域と壊死領域が, 造影後には腫瘍領域のみが高信号を示すことによって腫瘍領域が明瞭となった. 筋肉腫瘍モデルでは造影後に正常筋肉, 壊死領域, 腫瘍領域の判別が容易となり, 内部構造の把握が可能となった. MRIの撮像が困難と考えられている肺においても造影剤の使用により, 腫瘍の検出が可能であった. これらの造影効果は, 脳腫瘍モデルでは腫瘍の浸潤にともなう血液脳関門の破碇により, 筋肉腫瘍モデルでは血管透過性の亢進に伴って造影剤が組織に漏出したためと考えられた. また, 肺腫瘍, 卵巣腫瘍および骨腫瘍モデルでは, 血流によって造影剤が分布した結果と考えられた. なお, 造影MRI実施中に造影剤に起因すると考えられる臨床症状の発現は認められなかった. したがって, 造影MRIは獣医臨床においても安全で非侵襲的な腫瘍の診断方法として有用であることが示唆された.
  • 西田 由美, 高橋 雄二, 小田 憲司, 吐山 豊秋
    1996 年 58 巻 5 号 p. 397-400
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ほ乳用バケツにより代用乳を給与された子牛を用いて, この慣行のほ乳方法によって引き起こされた食道溝反射が, スルファメトキサゾール(SMX)・トリメトプリム(TMP)合剤の吸収におよぼす影響を試験した. SMX・TMP合剤をほ乳用バケツまたはカテーテルを用いて6週齢の子牛各5頭にそれぞれ経口投与し, 休薬後投与方法をクロスオーバーして再投与した. バケツ投与後のSMXのTmaxはカテーテル投与より40分短く, また, そのCmaxおよびAUCは, カテーテル投与のそれぞれ7.5および6.9倍であった. TMPはバケツ投与後のみ血漿中に検出された. すなわち, ほ乳用バケツで投与することにより食道溝反射が引き起こされ, 薬物の多くが直接第4胃に移送された結果, 高い利用率が得られたと考えられる.
  • 清水 眞澄, 飯田 和美, 吉田 治弘, 七戸 和博
    1996 年 58 巻 5 号 p. 401-406
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    スナネズミは実験動物として広く利用されているが, 酵素のアイソザイムパターンや遺伝的多型性についての報告は極めて少ない. 今回, 血清乳酸脱水素酵素(LDH)およびアルカリフォスファターゼ(ALP)アイソザイムの電気泳動パターンについて, スナネズミの被毛色突然変異体間の遺伝的多型性の有無および他種の小型齧歯類との比較を目的として検討した. 野生色と被毛色突然変異体4種のスナネズミとラット, マウスおよびモルモットについて, 血清中LDHおよびALPの電気泳動パターンを比較検討した. スナネズミの血清LDHアイソザイムは5本のバンドのうち, 2および5番目が明瞭に染色され, どちらも総活性値の32~35%を占めた. スナネズミおよびモルモット各1例に6本目のバンドが観察されたが, 遺伝的多型性を示す変異ではないと考えられた. スナネズミの血清ALPは2本のバンドが識別され, ノイラミニダーゼ処理血清において陽極側に検出されたアイソザイムの割合は, マウスやラットに比べて著しく高かった. これらの成績に被毛色間の変異は観察されなかった. 動物種間で比較してみると, LDH, ALPのアイソザイムの易動度に, 種によって明瞭な違いが認められた.
  • 高木 久, 福田 俊, 森 陵一, 小高 鐵男, 佐藤 れえ子, 内藤 善久
    1996 年 58 巻 5 号 p. 407-412
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ビタミンAD3E(V-AD3E)またはビタミンA(V-A)製剤の投与により, 後肢長骨の発育不全を示し, 牛ハイエナ病を発症した牛の骨代謝および骨端軟骨板の変化を形態学的に検索した. 骨代謝の観察は, 牛5頭の50日齢, 4および12ヵ月齢に行った. 観察に用いた牛は, 実験的にハイエナ病を発生させた3頭(生後7日齢から10日間V-AD3E剤の日量V-A300万I.U., V-D330万I.U., V-E1, 200I.U.を投与した1頭, その半量を投与した1頭, 日量V-A300万I.U.のみを投与した1頭)および非発症の日量ビタミンD3(V-D3)30万I.U.のみを投与した1頭とそれぞれの時期における対照牛1頭である. 対照牛に比較して発症牛3頭では, 50日齢の骨代謝は低回転を示し, 12ヵ月齢の骨量は低値を示した. 発症牛の大腿骨遠位および脛骨近位の骨端軟骨板は部分的に消失し, 軟骨細胞小腔の形態は扁平化し, 基質線維は細く高密度であった. V-D3投与の非発症牛1頭の骨量は年齢の増加とともに低値を示した. 以上の結果から, 牛ハイエナ病は, 子牛へのV-Aの過剰投与が軟骨細胞と骨芽細胞の分化および増殖の活性を抑制することにより発症し, 過剰なV-D3投与はV-Aのこれらの抑制作用を重篤化することが示唆された.
  • 岡田 利也, 山岸 達郎, 木曽 康郎, 森川 嘉夫, 佐々木 文彦
    1996 年 58 巻 5 号 p. 413-417
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    母体片側腎臓摘出を妊娠5日目に行い, 胎子の腎臓における近位尿細管の発達を組織形態計測学的に調べた. 近位尿細管上皮細胞の高さ, 内径, 長さ, および総体積を計測し, さらに腎小体総体積を計測した. 胎生18日齢では母体片側腎臓摘出によって未熟な腎小体の総体積は増加したが, 近位尿細管には変化が認められなかった. 胎生20日齢および22日齢では, 成熟した腎小体の総体積, 近位尿細管の内径, 長さおよび総体積が母体片側腎臓摘出によって有意に大きくなり, 近位尿細管上皮細胞の高さは逆に低くなった. これらの結果から, 母体片側腎臓摘出によって近位尿細管の発達は促進されることが明らかになった.
  • 七戸 和博, 清水 眞澄, 黒川 和雄
    1996 年 58 巻 5 号 p. 419-423
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    漢方製剤は古くからヒ卜のアレルギーの臨床において症状の軽減に用いており, 現在も使用頻度は高いが, 獣医臨床では試みが少ない. 我々は, 漢方製剤である木防己湯(M-711)の皮膚における抗アレルギー作用について, ラットの即時型皮内反応を応用したアレルギー性皮膚炎モデルを作製し検討した. M-711とその構成生薬単独の皮内反応抑制効果を, ジフェンヒドラミン, アゼラスチン, デキサメタゾンと比較した. モデルは, 被検薬物を経口的に前投与したラットの皮内に抗ラットIgE血清, ヒスタミン, ロイコトリエンC4を接種し, 血管透過性の亢進を惹起することによって作製した. M-711は20mg/kg以上でヒスタミン, ロイコトリエンC4および抗ラットIgE血清によって惹起された皮内反応を有意に抑制した. 40mg/kgBWのM-711の抗ヒスタミン作用は, ジフェンヒドラミンやアゼラスチンの常用量と同程度であった. ロイコトリエンC4に対しては, 20mg/kgBWのM-711がジフェンヒドラミンの常用量に匹敵する抑制作用を示した. 以上の成績から, M-711は, 皮膚の抗原抗体反応の結果遊離されるchemical mediatorの作用を抑制することによって, アレルギー症状を軽減することが示唆された.
  • 伊東 登, 菊池 直哉, 平棟 孝志
    1996 年 58 巻 5 号 p. 425-429
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    Salmonella Typhimuriumに対するアミカシンの抗菌作用を, アミカシンの薬物動態パラメーターと最小発育阻止濃度(MIC)を使って調べた. 鶏へのアミカシン筋肉内投与後の薬物動態パラメーターを蛍光偏光免疫測定法によって求めた. 蛋白結合型アミカシンは認めなかったので, 総濃度と遊離型濃度を同じとして取り扱った. 細菌を鶏の筋肉内に接種後, 以下のような筋肉内投与計画で抗菌効果を調べた. すなわち, 硫酸アミカシン20mg/kgを9時間毎に72時間投与, 20mg/kgを18時間毎に72時間投与, 20mg/kgを36時間毎に72時間投与, 10mg/kgを12時間毎に72時間投与, そして対照(アミカシン投与せず)である. 実験終了後各々の鶏の各種腹部臓器を採取した. 臓器を培養して, 増殖した細菌コロニー数を計測した. その結果, アミカシン投与群の間では, コロニー数に有意差はなかったが, 対照群はアミカシン投与群に比較して有意にコロニー数が増加していた. このことから, 細菌のMICを越える時間が投与間隔の少なくとも1/4以上あれば細菌感染に対して効果があり, 最高血中濃度は, MICを越える血中濃度が維持される時間が同じである限り抗生物質効果に影響しないということが示唆された.
  • 久和 茂, 町井 研士, 奥村 敦, 豊田 裕
    1996 年 58 巻 5 号 p. 431-437
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マウス肝炎ウイルスJHM株(JHMV)はC57BL/6マウスの脾臓で数日間増殖したが, 1週間以内に排除された. ウイルス排除に伴って, 脾臓内でCD8+T細胞数は3倍に, CD4+T細胞数も2倍に増加した. 一方, CD8+T細胞を除去したマウスではウイルスの排除は緩慢であり, 両方のT細胞を除去したマウスではウイルスは全く排除されなかった. フローサイトメトリーによる解析から, JHMV感染により脾臓T細胞の細胞表面抗原の発現が変化することがわかった. すなわち, JHMV感染マウス脾臓で増加しているCD8+T細胞においてCD11a, CD43, CD44, CD49dの発現量は増加していたが, T細胞レセプター, CD8, CD45RB, L-セレクチンの発現量は低下していた. CD11b, CD25あるいはNK1.1を発現しているCD8+T細胞は認められなかった. また, それらのT細胞レセプターβ鎖は不均一であった. CD11ahighCD8+T細胞に加えて, CD11ahighCD4+T細胞も感染後一過性に認められた. ウイルス特異的細胞傷害活性は感染7日後のCD4+T細胞およびCD8+T細胞に認められた. 脾臓におけるウイルスの排除およびウイルス特異的細胞傷害活性とCD11ahighT細胞の出現が時間的に相関していることから, JHMV感染におけるウイルス排除機構にCD11a<high>T細胞が働いていることが示唆された.
  • 岡山 敦子, 迫川 朋子, 中島 千絵, 吐山 豊秋
    1996 年 58 巻 5 号 p. 439-441
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1987年4月から1994年10月にかけて, 日本国内のアメリカ腐蛆病発症蜂群より分離した28株および性状検査用対照株として用いたATCC基準株1株の合計29株のBacillus larvaeについて生物性状を調べ, ほぼ基準株と一致する結果を得た. また, 各種抗菌剤の最小発育阻止濃度を測定したところ, B.larvaeはペニシリン系のアンピシリン, マクロライド系のミロサマイシンおよびリンコサミド系のリンコマイシンに対して高い感受性を示した.
  • 森好 政晴, 和木 克仁, 中尾 敏彦, 河田 啓一郎
    1996 年 58 巻 5 号 p. 443-445
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    超音波断層法により, 14~27ヵ月齢のビーグル種の妊娠犬6例の胚子および胎子(以下, 胎子という)の発育過程を詳細に観察した. 本法により胎子腹部横断径, 胎子頭部直径および胎子心臓直径を連日測定したところ, 妊娠日齢と各測定値の間でそれぞれ有意な発育曲線(2次回帰式)が得られた. これらを応用することにより, 交配日が不明な犬の妊娠日齢の推定や胎子の発育状態の良否の判定の可能性が示唆された.
  • 近藤 博, 和田 好洋, 坂東 元, 小菅 正夫, 八木 欣平, 奥 祐三郎
    1996 年 58 巻 5 号 p. 447-449
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    旭川市旭山動物園の推定22歳の雄ゴリラ及び4歳の雌ワオキツネザルに, 多包虫症が発生した. ゴリラは神経症状を主徴とし, 9ヵ月経過後死亡した. 肝臓, 肝臓付属リンパ節, 脳及び肺に多包虫がみられたが, 原頭節は肝臓の一部にのみ認められた. ワオキツネザルでは, 肝臓及び肺付属リンパ節に, 胸腔及び腹腔の半分以上を占める多包虫がみられ, 多数の原頭節を入れていた. ワオキツネザルは多包条虫の好適中間宿主と考えられる.
  • 竹村 直行, 鷲巣 誠, 小山 秀一, 本好 茂一
    1996 年 58 巻 5 号 p. 451-453
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    麻酔導入時に発生したイヌの心停止を開胸下DCカウンターショックで救命した. 蘇生直後の心調律は発作性上室性頻脈が間入する洞性頻脈が主体であったが, 2時間後には多源性心室性頻脈に移行した. この不整脈は, DCカウンターショックによる可逆的心筋障害から生じたと考えられた.
  • 平井 伸明, 壁谷 英則, 大橋 和彦, 杉本 千尋, 小沼 操
    1996 年 58 巻 5 号 p. 455-457
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    ウシ白血病ウイルス(BLV)に対して高い抗体陽性率の認められた北海道の牛群についてウシ免疫不全様ウイルス(BIV)に対する抗体の検出を行った. 120頭の牛の約半数が抗BLV抗体陽性であり, 7.5%が抗BIV抗体陽性であった. 抗BLV抗体陽性牛では白血球の増多が高率に見られたが, 抗BIV抗体陽性・抗BLV抗体陰性の牛では見られなかった. 抗BIV抗体と抗BLV抗体の保有状況に相関は認められなかった.
  • 荻野 博明, 乾 純夫, 成田 實
    1996 年 58 巻 5 号 p. 459-460
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    1970年に牛伝染性鼻気管炎(IBR)ウイルス感染で流産した胎子のパラフィン包埋組織について免疫酵素抗体法を用いIBRウイルス抗原の検出を行った. 壊死巣が胎子の肝臓, 腎臓, 副腎および胸腺に多数観察された. 免疫酵素抗体染色により壊死巣の分布に一致してIBRウイルス抗原が検出された. 本研究は免疫酵素抗体法が長期間保存されたパラフィン包埋組織におけるIBRウイルス抗原の証明において有用な手技の一つであることを示した.
  • 足立 幸蔵, 桂 のり子, 野村 祐資, 有川 彰信, 日高 眞和, 鬼丸 利久
    1996 年 58 巻 5 号 p. 461-464
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    除タンパク質操作が自動化された自動カラムスイッチング高速液体クロマトグラフィー法により宮崎県下の黒毛和種肥育牛の血清中ビタミンA及びビタミンEを測定した結果, 宮崎県下の黒毛和種肥育牛の多くは, 肥育前期に, 適量のβカロチン及びビタミンA, 低量のビタミンEを含有している飼料とビタミンA補給剤を, 肥育中後期に, 低量のβカロチン, ビタミンA及びビタミンEを含有している飼料をそれぞれ与えられていることが示唆された. よって, ビタミンA及びビタミンE欠乏症による経済的損失を未然に防ぐために, 宮崎県下の黒毛和種肥育牛生産農家は, 肥育全期に渡って肥育牛の血清中ビタミンA及びビタミンEをモニターリングする必要があると思われる.
  • 久和 茂, 町井 研士, 奥村 敦
    1996 年 58 巻 5 号 p. 465-467
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    マウスのマウス肝炎ウイルス感染において, 脾臓からのウイルス排除に重要な役割を果たしていると考えられるCD11ahighCD8+T細胞の誘導機序について検討した. CD4+T細胞欠損マウスおよび胸腺摘除マウスを用いた解析から, CD11ahighCD8+T細胞の誘導はCD4+T細胞や胸腺に依存していないことが示された.
  • 中市 統三, 田浦 保穂, 神吉 政史, 萬場 光一, 桃井 康行, 辻本 元, 中間 實徳
    1996 年 58 巻 5 号 p. 469-471
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    犬白血病由来の株化細胞を樹立し, その性状について検討した. この細胞(GL-1)は, ペルオキシダーゼ染色陰性で, 広く空胞を多く含んだ細胞質を持ち, 不整な核を特徴とした. 倍加時間は27.3時間, 染色体数は平均78であった. また表面抗原の解析では, T-cellマーカー陰性, CD45陽性, IgG陽性であった. 以上のことから, GL-1はB細胞由来の腫瘍細胞であると考えられた.
  • Allan Ching-Hwa CHANG, Wen-Lan CHANG, Chung-Tien LIN, Ming-Jeng PAN, S ...
    1996 年 58 巻 5 号 p. 473-476
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    台湾における犬の感染性周期的血小板減少症(CICT)の初発例を報告する. 軍用犬の血液塗抹中に血小板特異的な封入体が確認された. 原因を究明するため, 患犬の血液を6ヶ月齢のジャーマンセパート犬3匹に接種した. Ehrlichia platys様封入体が接種6から8日後に観察された. 感染した犬の血清は血小板中の微生物と特異的に反応することを間接蛍光抗体法により証明した. E.platys感染の典型的な血液学的徴候である周期的パラシテミアと随伴性の血小板減少症がこれらの犬で観察された. 北部台湾におけるCICTの浸潤の程度も調べた. 陽性率は, 家庭犬においては8.9%(45例中4例)で, ダニ重度寄生犬飼育場の犬では97.1%(35例中34例)であった.
  • 小林 秀樹, Munthali Gift, 宮本 千加子, 両角 徹雄, 三谷 賢冶, 伊東 伸宣, 塩野 浩紀, 山本 孝史
    1996 年 58 巻 5 号 p. 477-479
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    臓器材料中のマイコプラズマをPCRにより検出するためのマイコプラズマDNAテンペレート迅速簡易作製法について検討した. マイコプラズマ細胞膜を溶解し, かつ, その1/10濃度でPCRに影響のない界面活性物質を検討したところ, CHAPSが有効であることが判明した. CHAPSおよびプロテアーゼKを添加した溶解液をマイコプラズマを添加した模擬臓器材料(ヤギ肺乳剤)に供試したところ, 乳剤材料1グラムあたり104CFUまで検出可能であった.
  • 前田 誠司, 遠藤 秀紀, 木村 順平, ルアンノウェイチョーク ウォラウット, チュンサマルトニアート ナロン, 山田 純三, 九郎丸 正 ...
    1996 年 58 巻 5 号 p. 481-484
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    コモンツパイ(Tupaia glis)の精子発生過程における精上皮のステージ分類を試みた. タイ国において捕獲されたコモンツパイの精巣をブアン固定し, 常法によりパラフィン包埋してPAS-ヘマトキシリン染色を施した. 精上皮の周期は, 精子細胞の先体形成の程度を指標に12ステージに分類された. Stage IからXIIの各ステージの相対出現頻度は, それぞれ, 11.9, 7.2, 8.9, 22.5, 12.9, 9.7, 8.0, 5.9, 4.0, 3.2, 2.9, および3.6%であった. 霊長類に特徴的な, 精細管一断面における複数のステージは観察されなかった. また, 成熟精子細胞の頭部の形態は円盤状で, 霊長類でみられるような卵円形のものや, 齧歯類でみられるような鎌形のものとも明らかに異なっていた.
  • 椛 秀人, 川崎 安亮
    1996 年 58 巻 5 号 p. 485-488
    発行日: 1996/05/25
    公開日: 2008/02/15
    ジャーナル フリー
    鋤鼻器刺激によってマウス副嗅球に誘発される電場電位を副嗅球の層に直交する電極刺入路で記録した. 同じ深さでの電位の振幅と時間経過は, 格子状に選んだ5本の刺入路の間でほとんど差がなかった. 一次元電流源密度解析による電流密度像は三次元のそれとよく符合していた. さらに, 外叢状層に沿って誘発電位を記録した. 電位は各記録点でほぼ等しく, 一次元電流源密度解析はこの層に沿った正味の電流の流れのないことを示した. これらの結果は, 一次元電流源密度解析が副嗅球に適用できることを示している.
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