可視化情報学会誌
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高速せん断される摩擦接触面の発熱の可視化
―断層高速摩擦の素過程解明を目指して―
桑野 修
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2018 年 38 巻 149 号 p. 21-24

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抄録

 数mm/s以上の滑り速度では、様々な岩石の摩擦が大幅に下がることが知られているが、具体的なメカニズムは百家争鳴である。普遍的におきているであろうメカニズムの一つは、摩擦面の真実接触部の昇温である。巨視的な法線応力にかかわらず、真実接触部での応力は常に鉱物硬度(数GPa)レベルであり、面のすれ違いでそのコンタクトが消えるまでの一瞬の間だけFlash Heatingするはずである。摩擦発熱による温度の実測を試みた論文はいくつもあるが、輝度の絶対値を用いる通常のサーモグラフィーは、物質の放射率の影響や時空間分解能不足による放射輝度低下の影響があり、真実接触部での瞬間的昇温の測定には適さない。そこで我々は、高速せん断される摩擦面の発光を高速カメラで撮影し、二色温度計の原理を適用することで真実接触部の温度を推定することに成功した。本手法により、岩石の高速摩擦を支配する局所発熱する接触点の強度と物理素過程の解明を目指している。

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© 2018 社団法人 可視化情報学会
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