2019 年 39 巻 153 号 p. 7-12
世界初の極低温流体と水の両流体中で回転するインデューサの可視化が可能な試験装置を用いて,液体窒素中と水中のキャビテーションの特徴を比較した.供試インデューサは直径65.3mmの3乗螺旋で回転数3500から6000rpmで試験した.インデューサはInconel超合金製で,透明ケーシングは石英ガラス製であった.くわえて,熱膨張・収縮時にもインデューサとケーシングの軸を維持する機構を用いたことで,翼端隙間をほぼ均一に,かつ,一定に保った.キャビテーションは,液体窒素中では霧のような泡で,水中では石鹸のような泡であった.この違いは臨界ウェーバー数から導かれるキャビテーション気泡の最大安定気泡径によって説明できる.この理論によれば,液体窒素の個々のキャビテーション気泡径は水に比べて4倍小さい.この個々のキャビテーション気泡径の違いが熱力学的効果が発現する原因であると考えられる.