日本暖地畜産学会報
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水分と添加物の違いが竹サイレージの発酵品質と化学成分に及ぼす影響
菊川 裕幸蔡 義民柴田 昌三
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2020 年 63 巻 2 号 p. 61-67

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抄録

本研究は,地域の低・未利用資源である竹材をサイレージの主原料として用いるため,2種類の竹種,マダケ(Phyllostachys bambusoides Siebold et Zuccarini)およびモウソウチク(P. pubescens Mazel ex Houzeau de Lehale)の稈部および葉部の部位別に,水分含量を35,45,55%に調整し(試験1),試験2では2種類の竹材の部位別に酒粕と乳酸菌RO50,ならびにその両方を添加し,ともにサイレージ化後の飼料成分を分析した.試験3では,モウソウチクに酒粕と糖蜜を5,10,15%添加し,試験4ではモウソウチクにRO50,セルラーゼ,糖蜜および酒粕を添加し,ともにサイレージの発酵品質を分析し,試験5では,試験3と試験4に供したサイレージの飼料成分を分析した.その結果,水分含量はサイレージの化学成分に影響を及ぼさず,一方,酒粕を5%添加することによりサイレージのpHを有意に低下させ,粗タンパク質を増加させ,かつ酪酸やプロピオン酸が少なく良質な品質のサイレージとなった.

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© 2020 日本暖地畜産学会
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