日本暖地畜産学会報
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一般論文
放牧地草量の違いが黒毛和種繁殖雌牛の体温,歩数,体重に及ぼす影響
邉見 広一郎續木 靖浩徳丸 美夢小林 郁雄
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2022 年 65 巻 2 号 p. 77-84

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抄録

季節による放牧牛の生理状態を把握することは,適正な飼養管理のために有効である.本研究では黒毛和種繁殖雌牛において放牧地草量の違いが体温,歩数,体重に与える影響を明らかにするために春季と夏季で比較を行った.放牧期間は両季節とも7日間であり,放牧前後に草量を測定した.非妊娠で子牛のいない同じ雌牛5頭を供試牛として用いた.体温は小型データロガーを腟内留置型黄体ホルモン製剤に装着し腟内に挿入し,測定した.歩数は左前脚に歩数計を装着した.放牧前後の体重を測定し,放牧中の体重増加量を計算した.体温変動は季節間で大きく異なり,放牧中の体温と歩数は春季が夏季より高かった(P<0.01).両季節とも歩数と体重増加量の間には有意な負の相関が認められた(P<0.05).放牧時期の違いにより放牧地の草量と質が異なり,草を探すために放牧地を歩き回った結果,運動量が増加し,放牧中の体温上昇が季節により異なったものと示唆された.

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© 2022 日本暖地畜産学会
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