日本暖地畜産学会報
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一般論文
鰹節菌で発酵した和風生ハムについて
六車 三治男川越 聖人木本 早紀川北 久美子竹之山 愼一中村 豊郎
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2022 年 65 巻 2 号 p. 85-92

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抄録

日本独自の鰹節カビ菌「ユーロティウム ハーバリオラム(Eurotium herbariorum)」を利用して生ハムを発酵させ,熟成風味と食品機能性が付与された新規な発酵食肉製品を開発した.豚肩ロース肉を塩漬後,鰹節菌を噴霧し,20℃,湿度85% でカビを発生させた.さらに18℃,湿度65% で歩留70%,60%,50% になるまで熟成・乾燥させた.鰹節菌の噴霧後4日でカビの発生が認められ,10日で全面がカビで被覆された.歩留が70%,60% および50% になるまでに,それぞれ14日,32日および84日を要した.いずれの製品もpHは約6で水分活性は0.89以下であった.発酵・乾燥過程で熟成風味が発現し,高い血圧上昇抑制効果や抗酸化活性などの食品機能性が認められた.また,カビ発酵に伴い筋肉で代謝される分岐鎖アミノ酸のVal,Leu,IleやAlaの有意な増加が認められ,スポーツ栄養の分野にも貢献できる可能性が示唆された.さらに,好ましい食味と食感を持ち,GluやAspが豊富な旨味成分の凝縮された新規和風生ハムが完成された.

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© 2022 日本暖地畜産学会
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