日本暖地畜産学会報
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一般論文
ウイスキー粕を活用した肥育牛向け発酵TMRの品質と栄養価
中西 良孝鶴 由璃子久冨 紫音中村 南美子奥津 果優髙山 耕二大島 一郎菊地 早織板垣 亨哉
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2022 年 65 巻 2 号 p. 93-100

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抄録

ウイスキー粕を用いた肥育牛向け発酵TMRを開発するための基礎的知見を得ることを目的とし,糖化残渣(以下,BDG),蒸留残渣(以下,BDS),稲わら,ビートパルプおよび糖蜜を混合した発酵TMRの品質,採食性および栄養価を検討した.BDGとBDSを原物重比で等量混合したBDG・BDS区,40:60で混合したBDS60区,各々に乳酸菌製剤(以下,LAB)を添加したBDG・BDS・LAB区およびBDS60・LAB区の計4区を設けた.フリーク評点はBDS60・LAB区で99点と他の区と比べて有意に高く(P<0.05),最も評価が高かった.BDS60・ LAB区に対する肥育牛の採食率は給与後3日目で約80%となった.BDS60・LAB区の粗タンパク質含量は15.1%,可消化養分総量は68.5%であった.以上より,LABを添加し,BDGよりもBDSを50%多く混合した発酵TMRの品質は優れ,嗜好性および栄養価も比較的良好であることが判明した.

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© 2022 日本暖地畜産学会
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