2024 年 67 巻 1 号 p. 17-24
本研究では,近赤外分光法(NIRS)による沖縄県産の養豚用エコフィードおよびその原料の飼料成分推定法の確立を目的として,県産エコフィード用の検量モデルを作成および評価し,実用可能性について検討を行った.試料は検量モデル作成用100点および検量モデル評価用20点とし,一般成分,総エネルギー(GE)および酵素法による有機物消化率(EDOM)の検量モデルを重回帰分析法(MLR)および部分最小二乗法(PLSR)により作成した.結果として,CP,EE,NFEおよびGEについては,検量モデル評価時の決定係数(R2v)および推定誤差の標準偏差(SDP)が,MLRにおいては,それぞれ,0.92および4.75,0.90および3.52,0.90および3.11並びに0.86および0.27であり,PLSRにおいては,それぞれ,0.96および3.15,0.87および4.10,0.95および4.24並びに0.86 および0.27 となり,実用性が極めて高いあるいは実用性が高い精度であると判定された.一方,CA,CF およびEDOMについては,MLRおよびPLSRのいずれにおいても実用性の高い検量モデルは得られなかった.