日本暖地畜産学会報
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最新号
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一般論文
  • 細田 謙次, 河内 大介, 森 欣順, 金子 真, 中村 好德
    2024 年 67 巻 1 号 p. 1-8
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/27
    ジャーナル フリー

    極晩生ギニアグラス「うーまく」サイレージ(S)の給与が黒毛和種雌牛の飼料摂取量,栄養充足率,採食・反芻行動および第一胃液性状に及ぼす影響をスーダングラスSと比較し,その特性を検討した.両草種Sをそれぞれ単独で飽食給与する試験をクロスオーバー法で行った.ウシによるギニアグラスSの乾物摂取量はスーダングラスSのそれに比べて高かった.ギニアグラスSを給与したウシでは,黒毛和種繁殖牛の維持期に要する粗タンパク質および可消化養分総量の充足率が共に100%を越えていた.ギニアグラスS給与時のウシでは摂取量1kg 当たりの反芻時間が短く,ギニアグラスはより小片化しやすい特性を持つと考えられた.ギニアグラスSの高い乾物摂取量に一致して,ウシの第一胃液内の酢酸濃度も高かった.以上のことから,ギニアグラス「うーまく」は,黒毛和種繁殖牛の維持期向けに単独で飽食給与する粗飼料として好適な品種であると考えられた.

  • 遠山 牧人, 中村 好德, 手島 茂樹
    2024 年 67 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/27
    ジャーナル フリー

    公共牧場の実態調査に関する報告は多い.しかし,いずれの報告にも公共牧場における作業内容やその作業時間に関する詳細な情報は含まれていない.そこで本研究では,特に公共牧場における放牧監視に着目し,その内容と実態を調査した.また,ICT技術の導入による放牧監視の省力化効果および繁殖雌牛の増頭可能性について検討を行った.その結果,放牧監視の作業内容や作業時間については公共牧場ごとに特徴があることや,多くの公共牧場が放牧監視に多くの時間と労力を割いていることが明らかになった.一方,放牧監視の省力化を目的としてICT技術の導入が試みられている.しかし,損益分岐点分析による試算の結果,公共牧場の経営状況によっては,ICT技術の導入が放牧監視の省力化とそれに伴う繁殖雌牛の増頭につながらない場合もあることが示唆された.

  • 土井 歩, 平良 英三, 伊村 嘉美
    2024 年 67 巻 1 号 p. 17-24
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,近赤外分光法(NIRS)による沖縄県産の養豚用エコフィードおよびその原料の飼料成分推定法の確立を目的として,県産エコフィード用の検量モデルを作成および評価し,実用可能性について検討を行った.試料は検量モデル作成用100点および検量モデル評価用20点とし,一般成分,総エネルギー(GE)および酵素法による有機物消化率(EDOM)の検量モデルを重回帰分析法(MLR)および部分最小二乗法(PLSR)により作成した.結果として,CP,EE,NFEおよびGEについては,検量モデル評価時の決定係数(R2v)および推定誤差の標準偏差(SDP)が,MLRにおいては,それぞれ,0.92および4.75,0.90および3.52,0.90および3.11並びに0.86および0.27であり,PLSRにおいては,それぞれ,0.96および3.15,0.87および4.10,0.95および4.24並びに0.86 および0.27 となり,実用性が極めて高いあるいは実用性が高い精度であると判定された.一方,CA,CF およびEDOMについては,MLRおよびPLSRのいずれにおいても実用性の高い検量モデルは得られなかった.

短報論文
  • 知念 雅昭, 中村 廉, 下地 時矢, 久高 玄, 波平 知之
    2024 年 67 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/27
    ジャーナル フリー

    群飼育における黒毛和種繁殖雌牛の敵対行動の緩和を目的に,繁殖雌牛7頭にブラインダーを装着し,給餌前後の威嚇,押し退けおよび回避などの敵対行動に及ぼす影響を検討した.給餌前後の敵対行動のうち,威嚇はブラインダー装着前日に多く観察されたが,ブラインダー装着後11日目に有意(P<0.05)に減少した.押し退けは,ブラインダー装着による敵対行動に有意な差は認められなかった.給餌前の回避は,ブラインダー装着前日と比べてブラインダー装着後11日目に有意(P<0.05)に減少した.これらのことから,群飼育における黒毛和種繁殖雌牛へのブラインダー装着は,給餌前後の敵対行動の緩和に有効な管理技術であることが示唆された.

  • Koichiro Hemmi, Kotone Uenishi, Yasuhiro Tsuzuki, Ikuo Kobayashi
    2024 年 67 巻 1 号 p. 29-33
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/27
    ジャーナル フリー

    This study examined body temperature fluctuations in Japanese Black calves using a progester one-free Controlled Internal Drug Release (blank CIDR) for sheep with a small data-logger. This experiment was conducted over two seasons, pasture season (May and August) and non-pasture season (November and January). A total of 18 female calves (2 - 8 months old) were evaluated, for 9 of those calves, the CIDR was retained within the vagina. Detailed calf body-temperature fluctuations were recorded using a CIDR and data-logger restricted to female calves under five months and 100 kg body weight. During both seasons, the minimum body temperature was reached during the early morning, whereas the maximum body temperature was attained in the afternoon. There were no significant differences in afternoon to nighttime body temperatures between the pasture and non-pasture season.

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