水資源・環境研究
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研究ノート
河童による水辺環境保全運動と地域振興効果
福岡県久留米市田主丸町を事例に
伊藤 達也
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2019 年 32 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

本稿の目的は河童を使った水辺環境保全と地域振興効果を、福岡県久留米市田主丸町での調査から明らかにすることである。田主丸町は筑紫平野に位置し、河童を信仰する地域住民が河童を祭る祠を立て、毎年8月8日に祭りを開催している。筆者が行ったアンケート調査では、河童を使ったイベントの地域振興効果は、主として田主丸町の人々の交流を活発にし、人々を元気にさせるという経済効果の間接的側面で明らかになった。また、こうした河童を使ったイベントを肯定的に捉えている人が全体の80%を超え、田主丸町の河童が地域の水辺環境の保全に関わっていると考える人は3分の2を超え、そうした河童のいる水辺を守りたいと考える人が4分の3を占めた。田主丸町において、河童による地域振興効果は経済効果としては間接的であるものの、河童のいる水辺環境の保全意識は強く、そうした河童を信じる心、愛する心が河童によるイベントを支えていると思われる。

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© 2019 水資源・環境学会
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