抄録
住民が身近な水環境を保全する取り組みが日本各地で行われている。そのような取り組みにおいて課題となっているのが、それぞれの地域に適合的な水環境を保全するための「担いのしくみ」の形成である。本稿では、琵琶湖の東岸に位置する滋賀県守山市を事例として、自泊会レベルの地域社会における水環境保全活動を取り上げる。地域住民組織を「自治会型組織」と「テーマ型組織」に分類し、両者の関係性の違いに基づき、自治会型組織によるテーマ型組織の「包摂型」、自治会型組織とテーマ型組織の「交叉型」、自治会型組織とテーマ型組織の「並立型」という三類型を設定し、それぞれに適合的な事例を取り上げて検討を行う。それぞれの「担いのしくみ」の差異と課題を示すとともに、その差異が混住化のタイプという地域特性の違いに基づくものであることを明らかにする。取り上げた三つの自治会は、それぞれの地域特性である「内からの混住化」、「複合的混住化」、「外からの混住化」に適合的な「担いのしくみ」を形成しているといえよう。