抄録
【目的】ソバは抗酸化成分ルチンを含むことから、健康増進において有用な食品であると考えられる。これを容易に利用できるのがソバ茶であり、特にダッタンソバ茶は熱湯4分間浸出により薬理効果が期待できるルチン濃度となることを報告した。本研究では、蒸留水、水道水、ミネラルウォーターで調製したソバ茶 (普通ソバ茶、ダッタンソバ茶) 浸出液の抗酸化性を比較するとともに、浸出液保存による抗酸化性の経時変化を検討した。
【方法】日穀製粉(株)製の普通およびダッタンソバ茶各6gに、沸騰した蒸留水、水道水および硬度の異なる2種のミネラルウォーターをそれぞれ300mL加え4分間蒸らした浸出液を試料とした。抗酸化性は0.1Mリン酸緩衝液をコントロールとし、調製直後の各ソバ茶浸出液を原液として、AAPH-CL法によるぺルオキシラジカル(L00・)補捉活性を測定し、発生したラジカルの50%量を補捉するIC50値(%)で比較した。IC50値は低いほど抗酸化性が高いことを示している。測定試料は12および24時間後に同様の測定を行い結果を比較した。
【結果】普通ソバ茶では、蒸留水が最もIC50値が低く、次いで水道水、ミネラルウォーターA、Bの順に高くなった。また全ての試料において24時間経過後のIC50値が上昇し抗酸化性が低下した。ダッタンソバ茶は普通ソバ茶に比較してIC50値が低く、水質の違いによる差も些少であった。また、ミネラルウォーターB以外の試料では24時間後も有意なIC50値の低下は認められず、ダッタンソバ茶浸出液は保存による抗酸化性低下が起こりにくいことが示唆された。経時的な抗酸化性低下の認められたミネラルウォーターBは硬度が高く(約1470mg/L)、ルチンの抗酸化性低下にミネラル成分が影響していると考えられた。