化学と生物
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農芸化学@High School
アミガサハゴロモの研究
幼虫のロウ物質の構造と役割
藤田 誠
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2015 年 53 巻 11 号 p. 802-804

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抄録

本研究は,日本農芸化学会2015年度(平成27年度)大会(開催地:岡山大学津島キャンパス)「ジュニア農芸化学会2015」において発表されたものである.アミガサハゴロモは,半翅目ハゴロモ科に属する昆虫で,本州,四国,九州の常緑照葉樹林に生息し,幼虫・成虫共に主にカシ類の葉や茎から吸汁して生活する.1~5齢幼虫は腹部先端からロウ物質を分泌し,このロウ物質は羽毛や花の雄しべに似た形になる(図1).発表者は小学2年生のときにその不思議な姿を見て,ロウ物質の形が作られる仕組みや役割に興味をもった.図鑑で調べたが生態や形態に関する詳しい記述がなかったことから自分で調べようと考え,長年にわたって研究を続けてきたという.今回発表されたのはその最近の成果の一端である.

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© 2015 by Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
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