抄録
アプリロニンA(ApA)は強力な抗腫瘍活性を示す海洋産マクロリドである.ApAはモノマーのG-アクチンと1 : 1の複合体を形成し,重合したF-アクチンを脱重合させる.しかしApAは細胞内のアクチン骨格に作用するよりも1,000倍以上低い濃度で細胞毒性を示すことから,アクチン以外の第二の標的分子の存在が予想されていた.われわれはApAの分子プローブを合成し,標的分子の同定と相互作用解析を行った.その結果,本化合物が2つの細胞骨格タンパク質,アクチンとチューブリン間の相互作用を誘導することで微小管ダイナミクスを阻害するという,ユニークな作用を示すことを見いだした.