2020 年 76 巻 2 号 p. I_535-I_540
モノパイル式洋上風力発電設備の基礎周辺地盤における局所洗掘現象について,KC数と洗掘深の関係を表す既存式はあるものの,その洗掘防止工の効果はよくわかっていない.そこで本研究では,大規模実験ならびに数値計算を用いて,局所洗掘の再現ならびにその洗掘防止工の効果について検討した.大規模実験では,縮尺1/13の規模で,モノパイルの直径を50cmとし,波,流れ,波と流れの実験を行い,洗掘防止工の有無による洗掘深を検討した.その結果,洗掘防止工により十分な防止効果があることが確認された.次に,3次元数値シミュレーションにより,杭周りの流況解析を実施した.流速など実験結果と整合した結果が得られ,その妥当性を確認することができた.最大洗掘深を定量的に評価するまでには至らなかったものの,局所流速や渦度との関係から洗掘されることを定性的には推測できる.