2024 年 72 巻 9 号 p. 360-363
医薬領域における基礎研究において,様々な同位体が利用されている。薬剤開発において溶液NMRによる化合物の構造決定のみならず,その薬剤が結合する生体内タンパク質の立体構造決定にも用いられている。一方,臨床検査の分野では,PETやSPECT,放射線核種による治療など放射性同位体が利用されてきた。また,最近では肝機能や消化吸収機能を評価する目的でアミノ酸などの安定同位体基質を用いた薬物代謝・体内動態研究において様々な安定同位体が用いられている。放射性同位元素の基礎や測定原理,PETやSPECTなどを用いた検査は他著者稿を参考にいただきたい。本稿では安定同位体を用いた基礎研究および臨床検査を中心に紹介する。