肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
症例報告
出産後に発症した自己免疫性肝炎の一例
伊豆 将貴一木 康則橋元 悟大久保 公晴佐藤 大晃平田 敬永田 豊上平 幸史
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 65 巻 2 号 p. 92-98

詳細
抄録

症例は30代女性.出産までは肝機能異常を認めなかったが,出産5日後にALTが30 U/L台となり増悪し続けるため2カ月後に当科を受診.AST 96 U/L,ALT 137 U/L,IgG 1517 mg/dL,抗核抗体40倍,抗平滑筋抗体160倍,肝炎ウイルス陰性.肝生検では門脈域に軽度のリンパ球浸潤を認めたが,interface hepatitisはわずかで,中心静脈周囲の壊死炎症所見なく,巣状壊死部に形質細胞浸潤を認め,線維化はほとんど認めなかった.肝生検後にIgGが2124 mg/dLと上昇し,急性発症型自己免疫性肝炎と診断して副腎皮質ステロイドの投与を開始.途中,ウルソデオキシコール酸やアザチオプリンの併用も行いつつステロイドを漸減し,肝機能検査は正常を維持している.自己免疫性肝炎が妊娠中に軽快し出産後に増悪する報告は多いが,出産後に新規発症する報告は少ないため貴重な症例と考え報告する.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人 日本肝臓学会
前の記事
feedback
Top