2025 年 66 巻 6 号 p. 233-240
免疫抑制薬や抗悪性腫瘍薬を使用する際,適切なB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化対策を実施する必要がある.当院では2015年より薬剤師が中心となり,医師,看護師,外来事務員による多職種連携でHBV再活性化対策を実施している.2021年4月~2023年3月におけるHBVスクリーニング検査及び定期的なHBV-DNA定量実施状況について調査した.HBs抗原,HBc抗体・HBs抗体および初回HBV-DNA測定率はいずれも94%以上と高率であった.定期的なHBV-DNA測定率は3カ月以内25.0%,3~6カ月以内38.3%で,6カ月以上未測定を36.7%認めたが,薬剤師が医療安全講習会で周知した結果,24.6%と減少した.薬剤師が中心となり多職種連携でHBV再活性化対策を実施することは有用である.