肝臓
Online ISSN : 1881-3593
Print ISSN : 0451-4203
ISSN-L : 0451-4203
父子間輸血によりHBs抗原持続陽性となった乳児の一剖検例
山田 勉桜井 勇下田 敏彦阿部 賢治柄沢 勉志方 俊夫高田 昌亮片桐 庸雄新津 直樹井村 総一
著者情報
キーワード: HBs抗原, HBe抗原
ジャーナル フリー

1980 年 21 巻 2 号 p. 216-224

詳細
抄録
先天性心疾患を有する女児が,その根治手術直前にHBs抗原およびHBe抗原陽性のasymptomatic carrierであった父親より緊急にて,新鮮血約48mlの輸血を受けた.その結果,約2週間後に持続性HBs抗原血症を呈するようになり,その後呼吸不全にて死亡するまで約120日間,HB抗原は持続した.一方母親はHB抗原抗体系は陰性であり,母親よりの感染ではなく,輸血後の父親よりの水平感染によるものであった.肝機能検査上,および剖検による肝の組織学的検索にても肝炎の発症は認められなかった.このHBVのHBs抗原持続陽性と化した6カ月乳児の剖検例を報告し,asymptomatic carrierの発生機序と肝炎の成因について検討を加えた.
著者関連情報
© 社団法人 日本肝臓学会
前の記事 次の記事
feedback
Top