抄録
2007年に静岡県内の2つのカンキツ産地(沼津市西浦地区と浜松市北区三ヶ日地区)でカンキツ園の防風垣イヌマキ樹におけるカブリダニ類とチャノキイロアザミウマの密度を調査した。西浦地区のイヌマキ樹では5月上旬から7月下旬にニセラーゴカブリダニ,コウズケカブリダニ,ミヤコカブリダニのいずれかの種が常に見られた。これに対し,三ヶ日地区のイヌマキ樹では5月にカブリダニ類は見られず,6月上旬から7月上旬にかけて徐々に増加した。西浦地区のイヌマキ樹で5月上旬から7月下旬に観察されたカブリダニ類の総個体数は三ヶ日地区よりも多かった。その一方で,西浦地区のイヌマキ樹では6月上旬から7月下旬にチャノキイロアザミウマの成幼虫数が三ヶ日よりも少なく推移した。これらの結果から,西浦地区のイヌマキ樹ではチャノキイロアザミウマの密度抑制にカブリダニ類が有効に機能していると考えられた。