抄録
トマトすすかび病に対する16種類の殺菌剤で胞子懸濁液を作製し,その胞子の生育数から各殺菌剤の殺菌効果の評価を行った。登録濃度の1/10濃度において,TPN,シモキサニル・TPN,アゾキシストロビン・TPNは胞子生育を完全に抑制し,高い殺菌効果を示した。また,圃場試験を行い,トマトすすかび病に対してTPN,ポリオキシン,イミノクタジンアルベシル酸塩,アゾキシストロビンの14日間隔散布で防除効果を確認した。以上の結果から,トマトすすかび病の好適発病環境要因と伝染源の低減を前提に,初発生から14日間隔でTPNおよびその混合剤またはイミノクタジンアルベシル酸塩を予防散布することが有効と考えられた。