2018 年 60 巻 p. 31-37
ブドウ晩腐病の防除のため,病原菌の胞子飛散盛期にあたる6月から7月に露地栽培の‘巨峰’に対してQoI剤ではない殺菌剤(ペンチオピラド,キャプタン)とQoI剤を各2回ずつ散布し,発病状況を調査したところ,アゾキシストロビン(QoI剤),ピラクロストロビン・ボスカリド(QoI剤混合剤),キャプタン,ペンチオピラドの順で防除効果が高かった。また,果粒表面に対する各殺菌剤の影響を調査したところ,果粒の大きさがダイズ大を超えた時期にピラクロストロビン・ボスカリドを散布すると果粉の溶脱が生じ,アズキ大からダイズ大程度の時期での散布では果粉の溶脱は実用上問題とならなかった。