2024 年 16 巻 3 号 p. 115-127
長期的展望を示した大阪府教育委員会(1999)「教育改革プログラム」によれば当時、府立全日制高校155、定時制29、通信制1であった。この分布が示唆するとおり、通信制課程の政策的優先順位は低かった。同課程の実質的改編・拡充の提案はやっと2012年度になって、外部専門人材活用の充実の提案はさらに6年後の2018年度になってであり、以後ようやくスクールソーシャルワーカーの配置やキャリアカウンセラーの予算時間拡充が進められてきた。
多様な困難を抱えた生徒が通信制課程に在籍するようになって久しく、彼らの進路とりわけ就職指導・支援は重要な課題であり続けてきた。それにも拘らず、そこへの資源投入は、なぜ長らく後回しにされてきたのか。本稿は、1990年代以降の大阪府立高校政策における通信制課程の位置づけを確認し、そのインクリメンタリズムを解明する。最後に、その過程で形成されてきた学校現場の連携を「事業実践コミュニティ」と概念化して提案する。