2023 年 65 巻 p. 6-15
根こぶ病は絶対寄生性の原生生物Plasmodiophora brassicaeによって引き起こされるアブラナ科作物の難防除土壌病害の一つである。我々は,キャベツ(Brassica oleracea L. var. capitata)の根こぶ病抵抗性品種および罹病性品種の連作が,根こぶ病の発病と土壌中の病原菌密度に与える影響を圃場レベルで調べた。抵抗性品種‘BCR龍月’および罹病性品種‘おきな’をそれぞれ4期繰り返し栽培したところ,罹病性品種連作区と比較して抵抗性品種連作区では土壌菌密度の有意な減少がみられた。一方,同期間を休閑とした無栽培対照区においても抵抗性品種連作区とほぼ同等の減少がみられ,両区間で有意差は認められなかった。上記の試験を行った後の試験区画にて罹病性品種‘おきな’を栽培したところ,無栽培対照区と比較して抵抗性品種連作区では発病が抑制される傾向にあった。また,‘BCR龍月’を栽培したところ,発病はほとんどみられなかったが,大型のこぶを持つ罹病性個体が1個体生じた。そこで,その原因菌(Shimo-22DM)を分離し,同抵抗性品種への再接種を行ったところ,明確な病徴はみられず,非親和性の菌群である可能性が示唆された。結論として,圃場での抵抗性品種の連作により,自然減の寄与があるものの,罹病性品種の栽培と収穫が可能なレベルまで土壌菌密度を低減できることが示された。