抄録
対象は鏡視下腱板修復術例20例とし両側肩関節を肩甲骨面上,下垂位から120度まで自動挙上を透視装置で撮影し,挙上0,20,40,60,80,100,120度時の画像で肩甲上腕リズムを計測した.肩拳上角度を上腕骨軸と胸椎のなす角度,肩甲上方回旋角度を挙上時と下垂時の関節窩のなす角度とした.評価項目は各症例の肩甲上腕リズムと肩甲上腕リズムのばらつきとして変動係数とした.肩甲上腕リズムの平均は挙上20度以下では3以上と最大値となり拳上40度以上では1.5前後で推移した.大断裂以上の肩甲上腕リズムは中断裂以下と比較して挙上60,80度において有意に低く,その他の角度においてもより低値であった.肩甲上腕リズムの変動係数は拳上20度で最大値を示していた.腱板断裂例,特に断裂サイズの大きい症例において肩峰下インピンジメントの回避および可動域低下を代償する肩甲骨の上方回旋が過剰に認められたと考えられた.